また、2020年がアウディのル・マン初優勝から20周年となることを記念し、00年代前半のル・マンを席巻する「アウディR8」誕生前夜に存在した、「R8R」と「R8C」を改めて詳細に振り返る企画も新規に取材。
ボディ剛性やギヤボックスなど、開発当初から問題が頻発していたこれら2台のマシンが、いかにして名車R8へとつながっていったか。とくにギヤボックスはデビュー戦となったセブリング12時間のレース終盤では2〜3段分のギヤしか使えなくなっており、レース後に開けてみると「爆発したピンボール台のようになっていた」という。
GT1規定の終了という時代の変わり目に登場したアウディは、「ライバル不在」のおかげで00年代を席巻したと捉える向きも多いが、参戦2年目での総合優勝はそんな外的要因だけでなく、合理的かつ大胆な開発に依るところも大きかった。彼らがどうやって最強マシンを作りあげたのか、詳しくはぜひ本誌をお読みいただきたい。
その他、ル・マンの名車を語るうえで外せないコース変遷の紹介や総合優勝者(車)リストなども掲載。また、91年のマツダ787Bのエンジン解体ショー秘話や、as-webでも「変態カメラマン」としておなじみ、フォトグラファー鈴木紳平氏の「ヘン愛コラム」なども「隠れた必見企画」となっている(このあたりが特集タイトルの「and more.」のゆえん)。
なお、本特集はこの50年の「レーシングカー」に特化した内容としたため、ジャッキー・イクスさんも、ノルベルト・ジンガーさんも、関谷正徳さんも、トム・クリステンセンさんも登場しません(柿元邦彦氏のコラムはあります!)。あしからずご了承ください。
ル・マンのない6月、耐久レースファンのみなさまの気分を少しでも晴れやかにすることができる一冊となれば幸いです。
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6月5日発売のオートスポーツNo.1531号、内容の詳細と購入は三栄のオンラインサイト(https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11414)まで。