IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦セブリング12時間レースのGTLMクラスを制したウェザーテック・レーシング79号車ポルシェ911 RSRのマシュー・ジャミネは、レース最終盤に目の前で起きたトップ争いの接触について、「大クラッシュを回避できて、本当に幸運だった」と語った。
マット・キャンベル、クーパー・マクニールとともに79号車をドライブしたジャミネは、レース残り約20分で最後のフルコースイエローが解除されたとき、コルベット・レーシング3号車シボレー・コルベットC8.Rのアントニオ・ガルシア、BMWチームRLL25号車BMW M8 GTEのコナー・デ・フィリピに続く、3番手を走行していた。
残り8分半、デ・フィリピはターン7でガルシアのインに飛び込んだが、2台は接触しコルベットがBMWの前でスピン状態となった。2台は再度接触し、ガルシアのコルベットには大きなダメージが残った。
その直後にいたジャミネは、右側の芝生にはみ出してコースに復帰しようとしているデ・フィリピを避け、左に針路を取らざるを得なかった。ジャミネは前方で起きた接触については非常に分別のある見方をしているものの、戻ってきたBMWとの大クラッシュを間一髪で回避することができたと述べている。
「それほど近くにいたわけではないが、遠く離れていたわけでもない」とジャミネはSportscar365に対して語った。
「ターン7に入るとき、BMWにはチャンスがあったと思う。コルベットはそれほどドアを閉めなかったように見えたので、BMWがインに飛び込んだ」
「ブレーキに関しては少し楽観的だったかもしれない。エイペックスは僕からは見えなかったが、自分がコーナーに達したとき、彼らはちょうどサイド・バイ・サイドの状態になっていて、互いに少し接触していた」
「そのあと彼らは大きな接触をした。そしてコースの反対側へと向かってたBMWを、僕は避けなければならなかった。僕はただ左へ、そして真っ直ぐ芝生の上を進んでいった」
「あと少しでBMWと大きなクラッシュになるところだったから、そこでは本当に幸運だった。そのあと僕とBMWはコルベットをパスしてターン10に向かって真っ直ぐ下っていった。そこはちょっとクレイジーな戦いだったね」
このアクシデントによりガルシアはタイヤを損傷、ピットインを余儀なくされた。デ・フィリピには速やかにドライブスルー・ペナルティが言い渡された。これらにより、ジャミネはトップチェッカーへと向かい、ポルシェにとってセブリングで4年連続となるクラス優勝を成し遂げた。
ジャミネはまた、ウェザーテック・レーシングや(オペレーションをサポートする)プロトン・コンペティションといったプライベーターで勝利することは「素晴らしい」気持ちであると付け加える。
今回の結果は、開幕戦デイトナ24時間でのウェザーテック・レーシングのGTLMクラスデビューとは、まったく対照的なものとなった。デイトナでは25号車BMW M8 GTEにスタート前に追突され、勝負権を失っていたからだ。
「これまでのように、ファクトリーから完全なバックアップを受け、マニュファクチャラーとして勝利するよりも、さらに気分は良いね」とジャミネは述べている。
「僕はこれまで、セブリングではかなり不運に見舞われていた。とくに2019年、アール(・バンバー)、ローレンス(・ファントール)と組んでいたときはね。彼らと戦った他の耐久レースでもそうだった」
「だから、プロトンとウェザーテック・レーシングとともに、表彰台の頂点に立つのはいい気分だ。今日はひとつ、大きなことを達成できたと思う。長いシーズンは続いていくし、またこういったレースができれば嬉しいね」