27周目、まずは1コーナーへ飛び込む直前に岩佐が一瞬ラインを変えて太田にプレッシャーをかける。そのまま2コーナーで並びかけると、3コーナーで一気にオーバーテイクしポジションアップに成功した。表彰台圏内に復帰した岩佐は太田を一気に引き離すと、今度は山本に近づいていく。

 岩佐と太田がバトルしているうちにギャップを広げていた山本だったが、フレッシュタイヤの岩佐は一気に近づいてくる。32周目の1コーナーでは岩佐がオーバーテイクシステムを使いながらチャンスをうかがうが、山本も必死にブロック。2台の接近戦は数周続き、34周目に入ったホームストレートで岩佐が並びかけ、1コーナーまでに逆転。ここまで必死に2番手を守ってきた山本だったが、これで3番手に後退した。

 序盤にタイヤ交換を済ませていた山本はタイヤの消耗も激しく、同じく34周目の100Rで坪井にもかわされてしまう。坪井は25周を終えたところでタイヤ交換に入っており、フレッシュタイヤでプッシュ。阪口、太田をとらえて実質の4番手まで浮上していたが、ここで山本をかわして表彰台の一角3番手までポジションを押し上げていた。

 山本の扉をこじ開けた岩佐は一気にペースアップして牧野を追うが、すでに15秒近く開いていたギャップを逆転するには周回数が足りず。その結果、終始トップでレースをリードしていた牧野がトップチェッカーを受けた。

 2019年にスーパーフォーミュラデビューした牧野。その開幕戦ではデビューポールも獲得し注目を集めたが、なかなか優勝には手が届かず、5年越しの悲願の初優勝となった。2位にはルーキーの岩佐が入り、こちらも自身初表彰台となったが、ポールスタートで優勝も見えていただけに悔しい2位となった。

 3位はレース後半でのタイヤ交換が奏功した坪井。予選ではホンダ勢に上位席巻されたトヨタ勢の中で、決勝で一矢報いるかたちとなった。山本は4位。その山本とピットアウト後から長らく順位を争った太田が5位でフィニッシュしている。

 2024年スーパーフォーミュラの次戦第3戦東北大会は、6月22~23日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。

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