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投稿日: 2022.08.04 23:16

笹原右京 2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | 笹原右京 2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 レースレポート

UKYO SASAHARA
SUPER FORMULA Rd.6 PERSONAL REPORT

Date:2022/07/16-17
Track:Fuji Speedway 4.563km
Car:TEAM MUGEN BINGO SF19 #15 – Dallara Engine: Honda HR417-E
Tyre:YOKOHAMA
Team:TEAM MUGEN

 2022年シーズン後半戦のスタートとなる第6戦の舞台は静岡県にある富士スピードウェイ。

 開幕戦はレギュラー参戦初レースで初ポールポジションを獲得できたこの富士でしたが、レースは2レースともスタートでストップの憂き目に遭っていたので、大きな忘れものをしていました。加えてシーズン前半戦は15号車本来のパフォーマンスを発揮できない状況が続き、歯車が噛み合わず苦しい戦いを強いられていたこともあり、チームも僕自身もここで成果を上げたい! 表彰台、いや優勝を! そんな強い想いを胸に富士へやって参りました。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)

 土曜日に始まった雨のフリー走行では3番手タイムを記録したものの、周囲の状況含めて未知数な部分が多く、実際15号車の感触としてこれで良しとは決して言えない状態にあったので、いつものように予選に向けてはエンジニア陣と共にセットアップを進めていきました。

 予選は天候の影響によってフォーマットが変更となり、全車一斉の30分間のセッションとなりました。良かれと思った状態にセットアップを施したマシンで予選に臨みましたが、フリー走行とは比較にならないくらい走り辛くなってしまった15号車はまるで別人のようでした。アタックした場所のタイミングや位置も含めてとことん上手くいかずなんと13番手。

 まるでSUGOラウンドの悪夢再来といった土曜日でしたが、自分自身「ここで結果を残さなければ」という思いは前戦までの何倍も感じていましたし、周囲の方々からのプレッシャーも今回それはそれは強いものでした。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)

 13番グリッドから勝てるマシンをどうやったら作れるのか、何をすればいいのか、今回ばかりは心折れそうになりましたが、やはりそんな時に頼れるのは“TEAM”でした。

 明けた日曜日。2回目のフリー走行では依然として改善の途中でしたが、レース前の8分間のウォームアップ走行で手応えを感じるまでに持ってくることが出来ました。

 天候も回復してドライでレースが出来る。いつになく集中力も高まっていて、何かいけそうな気がする不思議な感覚がありました。

 フォーメーションラップで50号車がストップしたことにより、エクストラフォーメーションラップ後にスタートが切られました。1コーナーに向けてはイン側に攻め込んでいきましたが少々前を塞がれ気味にステアリングを切っていった後、アクシデントにより横を向いていた20号車を回避する形でレースを開始しました。

 すぐさまSC(セーフティーカー)が導入され、リスタートの10周目は64号車とのバトルを制してここまで6ポジションアップの7番手に。ピットウィンドウが開くと前方の車両は次々とピットインしていきましたが、僕ら15号車の方はステイアウトを選びました。ピットインまでの周回で僕のペースは全体の中でもかなり良かったため、既にオーバーカットの作戦は成功していて、実質3-4番手で復帰できる計算にいました。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)

 トップ19号車のタイヤ脱落によって再びSC導入が掲示されたまさにそのタイミングは、僕ら15号車がちょうどピットインを決めていた周回でした。メカニックさんの素早いピット作業からコース復帰したそのとき、期せずして僕はトップに立っていました。

 31周目に2度目のリスタートになりました。リスタートも上手く決めてペースも良く、後続を引き離しにかかりました。千載一遇のこのチャンスを絶対にモノにしてやるという強い思いと同時に、ミスなくチェッカーまで走り切るという慎重な考えも頭にあり、残り10周確実にマシンを走らせ続けました。そしてチェッカー……

 15号車サインボードに「P1」、ピットウォールと金網にたくさんの仲間が拳を突き上げて喜んでくれている姿が目に入り、そしてこれまでのいろんなことが走馬灯のように浮かんできて自然と涙が出てきました。ウィニングランのコースサイドでも観客の皆さんが手を振ったり拍手して下さっているのがわかって本当に嬉しかったです。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)

「皆んなで喜びを分かち合いたい」その目標がようやく実現できた瞬間でした。

 本当に言葉がない。感謝の想いしかありませんでした。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)

 その後はインタビューや記者会見など、当たり前ですがいつも以上にたくさんコメントをさせていただきましたが、とにかく今シーズンはスーパーフォーミュラのシートを得られないところから始まり、自分ごとのようにご尽力くださった方々がいて、大きな後押しをしてくださった方々がいて、声を上げてくださったファンの皆様がいて、何よりもゼロから15号車をつくり上げてくださった方々がいて、そんな多くの皆様にようやく勝利をひとつお返しできたという安堵と改めての感謝の思いが大きかったです。

 グランドスタンド裏のイベントステージで行われた優勝ドライバートークショーの時、駆けつけてくれた皆さんの光景も忘れられないものになりました。

『絶対に諦めない、前を追い続け、チャンスを確実にモノにする』もちろん、今回の勝利は展開に恵まれたという部分もありますが、こういった場面に遭遇した時の準備を僕ら15号車チームはやってきたんだと感じられた日曜日でした。

 とはいえ厳しい土曜日を再び繰り返すわけにはいかないですし、2大会4レースというフォーマットで行われる次戦以降を考えれば、浸っている時間はないなというのも正直なところです。2勝目に向けて気を引き締めて参ります。改めて皆様、本当にお待たせしました。これからもよろしくお願いいたします。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)


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