決勝:23位4月14日(日)13:30~

 スタート進行の直前に行われた20分間のウォームアップでは、まず永井選手、そして小林選手もドライブし、シフトに不具合がないか再確認。後方からの追い上げを期して、セットアップも変更した。

 30号車は、GT300クラスがローリングスタートからコントロールラインを通過した後に、ピットレーンからスタート。当然出遅れるが、オープニングラップでアクシデントが多発し、セーフティカーが導入されたことでその差はなくなった。

 アクシデントを起因とする車両がピットインし、またスタートドライバーの永井選手のペースもよく、一時は22番手までポジションを上げる。

 30号車にとっては順調なレース序盤と思われたが、12周目、接近戦を繰り広げるなかで他車に追突されてしまう。30号車は右のリヤタイヤが裂け、白煙を出しながらピットに向かった。ここでのタイムロスにより、トップからは周回遅れになってしまう。

 実質、入賞の権利を失ったことで、チームは戦略を切り替えることにした。ドライバー交代のミニマムで永井選手をピットに呼び戻し、デビュー戦となる小林選手の走行距離を伸ばすことにしたのだ。24周で永井選手はピットインし、若き期待のルーキーにステアリングを託す。

 小林選手には「周回遅れになっているから他車の邪魔にならないようにしながら、スーパーGTを学ぶこと」を伝えた。30号車にとっての決勝中ベストラップは、永井選手が15周目に記録した1分29秒956で及ばなかったが、そこからゴールまでの49周を走りきりマイレージを稼ぐことができた。

 今回は悔しい結果となってしまったが、「小林選手の経験値を稼げた」と、チームは前を向く。緊急ピットで最後尾に落ちながら、三つポジションを上げた23位でフィニッシュ。小林選手がここで学べたことは、第2戦以降で必ず活かされるはずだ。

apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)
2024スーパーGT第1戦岡山 apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)

●永井宏明

「決勝に向けたセット変更でバランスも少し改善し、着実に順位を上げていくなかでの接触によるタイヤバーストは痛かったです」

「昨日のシフトトラブルに続き少し歯車がズレたレースウィークでしたが、開幕戦で厄落としが出来たと切り替え、次戦の富士は全力で良い走りをお見せしたいと思います」

●小林利徠斗

「無線の調子が悪くコース状況がイマイチ把握できずの初レースでした。そのなかでも、レースの大半を走らせていただきSGTの難しさや、戦い方や、タイヤマネージメント等、しっかり勉強できましたので確実に次につながりました」

「一つ一つの経験を生かして早くTEAMに貢献できるように致しますので次戦も応援よろしくお願いいたします」

●織戸学

「想定以上の気温と路面温度に惑わされた週末でした。今回は後方支援に徹してTEAMを支える役目で色々ありましたが少しは流れを作れましたし、そのなかでも、初レースの小林選手に沢山の経験を積んでもらえたことは収穫であり、今後のパフォーマンスに期待が持てました」

「次戦は3名体制で挑みドライバーとしても全力で挑みます。30号車は、伸びしろしかない!ご期待ください」

●金曽裕人監督

「永井選手のペースは悪くなく、追い上げて『ここから』というときに追突されてレースが終わってしまいました。それならと、未来明るい小林選手に徹底的に練習してもらうことにしました」

「小林選手はスロースターターという感じですが、一度覚えたら忘れない。ひとつひとつ丁寧に教えて、着実に成長させる予定です。次戦は3時間レースとなり作戦も重要なので確実にポイントを獲れるレースを組み立てたいです」

apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)
2024スーパーGT第1戦岡山 apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)

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