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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.05.14 07:30
更新日: 2019.05.13 18:38

31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 2019スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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スーパーGT | 31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 2019スーパーGT第2戦富士 レースレポート

決勝レース(110周)
5月4日(土・祝)14:30~

 決勝当日は午前中まで青空が広がっていたのに、レース開始が刻一刻と近づくにつれ、怪しい雲行きに。20分間のウォームアップが始まろうという頃には、最終コーナーの向こう側に黒い雲が立ち込めたばかりか、雷鳴さえ響いていた。

 なんとかドライコンディションが保たれたウォームアップは、初めて#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTのスタートを担当する中山選手からの走行開始に。5周して1分40秒051を記録した後、嵯峨選手に交代する。終了間際には1分39秒112をマークした。

 なんとか雨は降らずにいてほしい、そんな大観衆の願いもむなしく、マシンがグリッドに並べられてまもなく雨は降りだしてしまう。その頃はまだ小降りだったのだが……。レースウイーク最初のウエット宣言ということもあり、レースはセーフティカースタートでの開始となった。

 2周の先導の後、グリーンシグナルが点灯して、いよいよバトルがスタート! しかし、不運だったのは先行車両の中に1台、ドライタイヤを履いていた車両がいたため、トップグループからは大きく離されてしまったこと。それでも1周のうちに2台をパス。9周目には中山選手は22番手に浮上する。

 その頃、雨は勢いを増す一方。12周目からセーフティカーが入り、15周目には赤旗が出されて天候の回復を待つことに。約30分後に再開され、セーフティカー2周の先導の後、再びバトルが繰り広げられることになった。中山選手はしばらくポジションキープの展開となったが、ペナルティを受ける車両もあって、そのつど順位も上がっていく。19番手に上がっていた31周目に#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは勝負を賭けた。いち早く嵯峨選手と交代し、スペックの異なるウエットタイヤにあらためたのだ。

 いったんは順位を落とした格好ながら、改めたウエットタイヤがジャストフィット。もし、すでにやんでいた雨が再び降り始めたら、一気に順位を上げることも可能だったはず。ところが、予想外に路面の乾きが早く、その後ドライバー交代を行なった車両はドライタイヤに交換。そのままではこらえきれないと判断し、嵯峨選手を40周目に呼び戻し、ドライタイヤに交換する。

 これでほぼ最後尾まで後退したものの、あきらめることなく嵯峨選手は前をいく車両を捕らえ続け、再び19番手にまで順位を戻した76周目に中山選手とバトンタッチ。ポジションをそのままにコースに戻り、#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは19位でチェッカーを受けることとなった。

 次回のレースは5月25~26日に鈴鹿サーキットで開催される。予定より1回多いピットストップがなければ……という思いも残る一方で、決勝でしっかり順位を上げられるマシンであることは、再び明らかになった。短いインターバルの中、さらにチームはマシンを磨き上げて躍進を誓う。

TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

嵯峨宏紀

「決勝のペースは、僕のスティントではそんなに悪くなかったので、少し光が見えてきた印象がありました。雨のタイミングが悪くピットストップが1回増えてしまったことで、入賞を逃してしまいましたが、それがなかったらトップ10にも行けたかもしれません」

「ウエットテストも、ブレーキシステムの問題から、まともにできていなかったので、失ったタイヤ開発時間を埋めるためにもスペック違いのウエットタイヤをトライするのは承知のうえでした。いろいろ前向きにやってくれるチームなので、次の鈴鹿にはもっといい状態でいけるようになるはずです」

中山友貴

「今回、こういう荒れた展開の中で、僕はスタートとゴール、2スティントやらせてもらったんですが、ウエットタイヤとドライタイヤを両方経験できたのと、タイヤ無交換もしたんです、実は。タイヤのマイレージをしっかり見るのも開発の一環でこの間、ちゃんと走れていない分のデータをしっかり取れたというのは、今後に向けての大きな収穫だと思います」

「チームとしてもまとまっていて、方向性を定めて問題を解決しているので、すぐに劇的に良くなるか定かではないですけど、きっといい方向にいくと思っています。チームの士気は高いので、このままの調子でいきたいです」

金曽裕人監督

「やっと問題があったシステムが成立し始めたので、クルマの動きが普通になってきて、速いクルマと思えるパフォーマンスを感じられたのが、今回いちばんの収穫です。ここからクルマ磨きをどうやるかが僕らの仕事。長いレースでたくさんのデータが取れたので、この先しばらく公式テストはありませんが、このレースでえられたものを取り入れていこうと思っています」

「ここにいたるまで、多くの時間を無くし開発が進まなかったのは非常に残念ですが、今回ようやく普通になり振り出しにもどれ、スタートを切ることができました。通常ならば、この開発ロス時間は年間成績に大きく響くので、ここからの巻き返しが我々の本気の勝負。今後に注目していただけたら何よりです!」


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