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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.06.02 00:50

TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

2022 SUPER GT 第3戦『たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』(5/28〜29)

鈴鹿サーキット(1周5.807km)
入場者数:予選11,000名、決勝21,000名 合計32,000名

第3戦鈴鹿、収穫多い4位フィニッシュ

 5月29日(日)、まるで初夏の陽射しとなった中でSUPER GT第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」の決勝が行われ、6番グリッドから不撓不屈に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、関口が序盤にフルコースイエロー(FCY)やセーフティカー(SC)が導入される波乱の展開の中でステディな走りでトップ10秒差以内をキープする走り。

 今回もFCYやSCの事態を注視しながら1回目ピットインを引っ張る戦略で他車がピットインをめコースが空いた状況となると猛プッシュをかけ前とのギャップを削っていった関口。27周目にピットインをすると素早いピットワークも相まって2位で中山をコースへ送り出すことに成功。

 FCY宣言中でタイヤがすぐに温まらずFCY解除に4位となるが、その後は中山がペース良く周回を重ね、終盤には表彰台を狙ってペースアップ。最終ラップで3位にあと僅か0.048秒差まで迫ったところで惜しくもチェッカー。今後につながる価値ある収穫の多い4位フィニッシュとなった。ドライバーポイントは8点を獲得(計11点)、チームポイントは11点を獲得(計18.5点)し、ともにランキング9位となった。

■事前情報

 前戦富士ではトップフィニッシュも13位降格となったが、開幕戦から上位争いを演じているDENSO KOBELCO SARD GR Supra。シーズン前半のひと区切りとなる第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」(鈴鹿サーキット)は、5月28日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、29日(日)決勝は14時30分スタートの300km(52周:約2時間)で争われ、ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付け。また両日とも脇阪監督らによる往年のレースカーによるデモンストレーションランも予定されている。

 サクセスウェイトは現獲得ポイントの倍となる6kgを搭載。重量増による鈴鹿でのタイムの落ち込みは、6kgだと約0.1秒ほどとなる。この第3戦鈴鹿サーキット公式画像に描かれるなど期待も高く、チームの本拠地に近いため応援者も多く訪れる鈴鹿は、歴史的にも国際的にも有名なテクニカルなドライバーズサーキット。特徴的なコーナーが連続してあり、全長約5.8kmと長めで世界にも珍しい8の字形のレイアウトで数多くの伝説的な名勝負が生まれてきたチャレンジングなコース。

 5月末とはいえ、暑さもあるこの鈴鹿は、いっそう激しく厳しい戦いが予想される。DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、この後、第4戦富士までは2ヶ月ほどインターバルが空くので、ここで流れを引き寄せてシリーズ前半のひと区切りを良い形でまとめていくためにも、この鈴鹿での勝利を強く望むところ。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、強い意志を持ってランキング上位を狙い、不撓不屈に勝利を目指していった。

TGR TEAM SARD
TGR TEAM SARD

■公式練習走行

 28日(土)9時30分から開始された公式練習走行は、朝から路気温が高く、気温26度/路面温度36度の快晴の中で85分間のセッションが開始された。

 最初に関口がクルマの状況の確認のためハード側ドライタイヤを装着してコースイン。まずは6周目に1分46秒892とその時点で8番手タイムをマーク。前後バランスや足回りの調整を施しながらクルマのセットアップを進め、11周目からは中山がこのままハード側タイヤでロングラン実施に移行。

 50秒台の安定したタイムでラップを重ねる中山は途中で車高を調整しながらクルマのセットアップをチェックした。混走セッションは28周を走行して、関口が最初にマークした1分46秒892のタイムで11番手となった。

 10分間のGT500単独セッションでは、雲が多くなり気温28度/路面温度38度に。関口がソフト側タイヤでアタックシミュレーションを行おうとしたが、2周目にトラブル車両がコース脇に停止したため赤旗よりセッション中止となった。

 公式練習走行ではトータル30周を走行。その後、FCYテスト走行では関口が予選・決勝へ向けたタイヤの準備を行うなど5周ほど走行。公式練習走行では暑い決勝を見越してのロングランを中心とし、この後の走行へ向けて貴重なデータを得たセッションとなった。

関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

■公式予選
■Q1:関口が会心の走りで2番手タイム

 28日(土)15時28分のQ1開始時点は、気温28度/路面温度44度で昼間から大きく路面温度が上昇するコンディションに。セッション開始早々にコースインしたファーストアタッカーの関口。丁寧にタイヤのウォームアップを開始。アタックは4周目にターゲットを絞り、ピークを合わせるべく前後左右のタイヤをバランス良く温めていく関口。

 予定通りに4周目にアタックを開始するとセクター1で全車2番手タイム。セクター2、3はまったく無駄のないスムーズな走りを披露して、2番手と僅差の3番手タイムで駆け抜けていく。最終セクターは距離が短いが稼ぎどころでもあるため、気合い十分の関口は見事にセクタートップタイムを叩き出す会心の走りで、1分44秒821の2番手タイムでQ2進出を決めてみせた。

中山雄一と関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
中山雄一と関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

■Q2:中山がセット変更も6番グリッドに

 28日(土)16時06分のQ2開始時点は、気温28度/路面温度38度と路面温度がQ1から6度も下がる状況ながらも決勝の暑さを見据えて同じくハード側タイヤを選択。またポールポジションを狙ってQ1からセット変更も敢行した。関口から色々とクルマやコースの状況のアドバイスを受け、同じく4周目アタックにターゲットを絞ってコースインした中山。

 タイヤを十分に温めアタックに入ったセクター1は関口と同等タイム。だがQ1からのセット変更と路面状況が変化したことにより、特にセクター1がアンダーステアなバランスとなっていた様子。

 残りのセクターもQ1と同等タイムで駆け抜けてチェッカーを受けたが、一部のライバル勢がソフト系タイヤを装着していたことでタイムアップした結果、DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、1分44秒925の6番手タイム。決勝レースは3列目からのスタートとなった。クルマも十分に仕上がってきて、決勝は暑さも味方するであろうことから表彰台に向けては、まずまずの良いポジションからスタートできる結果となった。

中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

■決勝
■ウォームアップ走行

 29日(日)13時10分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、気温29度/路面温度48度のコンディション。まず中山が燃料を積んだ状態でユーズドのハード側タイヤを確認。続いて2周目からは関口が同じくハード側タイヤでクルマの状況を確認。ウォームアップ走行はトータル5周を走行し、3周目に関口がマークした1分50秒960で6番手タイムとなった。

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■決勝レース
第1スティント:関口がステディな走りで戦略を成功させポジションアップ

 29日(日)予定より10分遅れの14時40分決勝スタート時点は、まるで初夏の陽射しとなり、気温30度/路面温度50度の真夏日に。メインスタンドが久しぶりに埋め尽くされた鈴鹿となり、6番グリッドから不撓不屈に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当の関口が序盤からFCYやSCが導入される波乱の展開の中でステディな走りでトップ10秒差以内をキープする走り。

 今回もFCYやSCの事態を注視しながら1回目ピットインを引っ張る戦略。18周を終えると他車がピットインを始めコースが空いた状況となるとタイヤがまだ元気な関口は、ここが勝負所と脇阪監督の檄も無線で入り、猛プッシュをかけ前とのギャップを削っていった。

 他車のタイヤ交換後のラップタイムの上がり具合も良くない様子を確認しながらピットインを遅らせ、24周目には暫定トップに立ち仮想のギャップを削っていくオーバーカット戦略を遂行していった。そして、ここぞとばかりに27周を終えピットに関口を呼び戻した。

第2スティント:中山の終盤追い上げで表彰台にあと一歩の4位チェッカー

 27周目にピットインをすると素早いピットワークも相まって2位で中山をコースへ送り出すことに成功。この時、FCY宣言中であったため、2位で戦列復帰もタイヤがすぐには温まらず、同周回中、FCY解除後に4位となるが、タイヤが温まると中山がペース良く周回を重ねていった。

 途中に2度目のSC導入など波乱があったが、再スタートが切られると終盤には表彰台を狙ってペースアップをした中山。大きくギャップを削り、最終ラップで3位にあと僅か0.048秒差、2位に0.3秒差まで迫ったところで惜しくも4位でチェッカーとなった。

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

関口雄飛

「土曜日は練習走行から予選に向けてクルマを修正して良い方向に進んで、まだ詰めたいところはありますが、変えてもらったところはQ1で良いフィーリングでした。決勝は自分のスティントでは終盤にフロントタイヤが少しきつくなりましたが、ピットインを引っ張る戦略で空いたところを走れてラップタイムも良く、抜群のピットインタイミングでポジションを上げられ戦略的に上手く行きました。あと一歩で表彰台でしたが、次の富士は2回ピットインもあるので今から楽しみです。チームのクルマにもメンバーにも更に理解が深まってきて、今回いろいろなデータも取れたので、それを活かして頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします」

関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

中山雄一

「土曜日のフリー走行では決勝に向けたセットアップを中心に進めました。新品タイヤでのテストはあまりすることはできませんでしたが、たくさんのデータを得ることができました。予選ではミスなくアタックすることはできましたが、100%攻め切ることが出来なかった部分も少しあるので、悔しい予選となりました。決勝での3位とのフィニッシュタイム差は0.048秒差。ぎりぎりで表彰台には乗れませんでしたが、開幕からの2戦までよりも、確実に戦闘力が上がったことを感じられたレースとなりました。ピットタイミングもばっちりで、いつもコースに復帰して自分の位置にびっくりします。次戦こそ、全ての要素を完璧に組み立てて、優勝をもぎ取ります!これからも引き続き、ご声援のほどよろしくお願いいたします」

中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

監督 脇阪寿一

「『全員野球』がようやく機能し始めた週末でした。チームの雰囲気が、どんどん良くなっていき、チーム力も、どんどん向上してる実感があります。未来を見据えた取り組みで見えてきた光。自分にとって非常に満足いく週末となりました。エンジニア達が目的を持ってクルマを創り上げ、関口雄飛、中山雄一も素晴らしい走りを魅せてくれ沢山のことが見えました。メカニック達の働きにも感謝です。狙っていた戦略も上手くいきました。次の富士は真っ向から優勝を狙います。応援いただきました皆様、ありがとうございました!」

脇阪寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
脇阪寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)


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