HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2022 SUPER GT Rd.6 スポーツランドSUGO
■日時 2022年9月17〜18日
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra
■場所 スポーツランドSUGO
■ゼッケン 25
■監督 土屋武士
■ドライバー 松井孝允／野中誠太
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■リザルト 予選6位／決勝10位
待望のポイント獲得！ みなさんほんとにありがとう！
ようやく踏み出した一歩から、さらに前を目指します！
9月17～18日、スポーツランドSUGOにおいて2022年スーパーGTシリーズ第6戦が開催され、予選でシーズンベストとなる6番手を手にしたNo.25 HOPPY Schatz GR Supraは、途中雨が降ったり止んだりの難しいコンディションの中、着実なレース運びを見せて10位フィニッシュ。新車投入後初の入賞を達成した。
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早いもので9月中旬を迎え、秋の訪れを感じるなかで第6戦SUGOの戦いが始まりました。季節的にも厳しい暑さからようやく解放され、少し過ごしやすくなりましたね。スタッフの皆さんがガレージで仕事をする様子を見てると、だいぶ作業がしやすくなったかなと思うホピ子です。さて、前回の鈴鹿でようやく完走を果たし、スタートラインに立ったホピ子ですが、これでひと安心なんて言ってる場合じゃなくて、そこからちゃんとスタートを切って、次に進んでいかなくちゃなりません。
ということで、チームのみんなはこのSUGO戦に向けてすぐさま作業に取り掛かってくれたのですが、とにもかくにも目が回るほどの大変な忙しさで……。このままだったらホピ子、SUGOに行けないよぉ〜ってちょっと心配だったけど、さすがは皆さんレースのプロフェッショナル！ SUGOのレースウイークのスケジュールから逆算し、やらなければならないこと、やりたいことを明確にして仕事を進めたって感じです。でもね、やればやるほどあれもこれもと仕事が増えるそうで……。限られた時間を一刻も無駄にしないよう、ほんとみんなすごい集中力で仕事に取り組んで、SUGO入りを果たしたのでした！
土曜日のSUGOは朝から秋晴れになりました。が、思った以上に気温が高く、それ以上に増して湿度の高さがハンパなくて。公式練習が始まる頃の気温は24度、路面温度は30度って聞いたけれど、いやいやこの蒸し暑さは何なの！ 前回、鈴鹿で車内が暑くて大変な目に遭った松井孝允くんや野中誠太くんのことを考えると、今週末は大丈夫なのかと心配になったホピ子でした。
そんななか、最初に誠太くんがコースイン。セッション後に言ってたけど、走りはじめから手応えがあったようで、速さを感じられたんだそう。それにセットアップが進むと、クルマがフォーミュラっぽい動きになるらしく、今シーズンはフォーミュラレースでも頑張っている誠太くんにとっては、どんどん走る楽しみが増えていった感じだったみたい。そんなわけで、GT500クラスとの混走で孝允くんへと代わる直前にはチームベストとなる1分19秒027をマークしたのでした。
一方の孝允くんは、アウト～インを繰り返しながら、精力的にセットアップ作業を続けてました。このセッションでのホピ子の順位は6番手！ 間違いなくいい流れでセッションを終えることができたと思うので、これから午後のノックアウト予選に向けてガッツリとミーティングをすれば、いいアタックをお見せできるんじゃないかなぁ……そんな期待に胸が膨らむ公式練習でした。
午後に入ると、SUGOの上空には少しだけ薄曇りの空が広がって、1コーナーから最終コーナーにかけて向かい風が吹いていました。午後2時30分、気温26度、路面温度31度と朝よりも気温が上がり、体感的にも蒸し暑かったのだけれど、ちょっと風が冷たく感じました。ホピ子はQ1A組で出走。朝の走行結果からしてQ2進出への可能性が高いと踏んでいた中、前回に続いて孝允くんがアタックを担当したんです。もともとQ2を担当する予定だった孝允くんですが、急きょ担当セッションを交代した理由を明かしてくれました。
なんでも「今週は、野中選手がすごく速いんです」とのこと。速さが備わったホピ子がフォーミュラカー風の動きになったのを、誠太くんがよりスムーズに乗りこなしていたと孝允くんは言うのです。そこで自らQ1を担当すると言ったんだって。その孝允くん、Q1では1分18秒827のタイムをマーク。6番手で見事に今シーズン初のQ1通過を果たし、誠太くんにバトンを委ねました。
さぁ、ついにQ2です！ 出番を迎えた誠太くん、ちょっと緊張気味かもしれない……ホピ子にもドキドキが乗り移るくらいです。満を持して刻んだアタックタイムは1分18秒146、そして結果は6番手！ もちろん、今シーズンのベストリザルトです！ ホピ子も頑張りました。翌日のレースは、GT300クラスの前から3列目ですからね！ まずは無事にアタックを終えて、この結果を出せたことに満足できました！
誠太くんには予選を振り返ってもらったんだけど、「朝からいい結果が出ていたので、そうなるとやっぱり緊張するんだってことがわかりました」って言うんです。朝の走行から、頭の中で予選を意識して、タイヤの使い方や一発のタイムの出し方を“シミューレート”してたらしい。で、絶対にQ2 まで行けるって信じてたそう。そしたら、やっぱりアタック前に緊張したそうで。そのあたりが“ルーキー”なんだなぁって思いました。
でも、こういういい緊張感をたくさん経験して、もっと速くて強いドライバーになっていくんだろうから、これからもそういうシーンをたくさんホピ子と一緒に作ってほしいなって思います。ということで、決勝はクラス6 位からのスタートを迎えるホピ子ですが、決勝を想定したロングランでも手応えがあるってドライバーふたりが言ってるから、きっとベストを尽くせると思います！
決勝日は前日より、さらにギラギラとした日差しが照りつけ、ホントにここは東北!? っていう蒸し暑い朝を迎えました。やっぱり九州地方に向かって、大きな勢力で台風14号が接近している影響があったのかなぁ。昨日はちょっと冷たく感じた風も、今日は生ぬるーい感じで、なんだか雨が降るっていう話を耳にしたホピ子は、密かに雨のレースになる心構えをしました。午後12時40分、ウォームアップ走行が始まると、孝允くんは予選を終えてから変更したセッティングを確認し始めました。大きくセットを変更したわけではないけれど、それでもバランスが良くなった手応えを感じたと言ってましたよ。
42台がグリッドに整列を始めるころ、とうとうメインストレート上には雨粒が落ちてきました。気温28度、路面温度36度のコンディションのなか、今回も地元警察が先導するパレードラップがスタート。幸いにしてそのころには一旦雨も上がってなんとかスリックタイヤでスタートが切られました。スタートドライバーを担当した孝允くんは、落ち着いた仕事ぶりでまずはポジションキープ。一方、その後方では2台のGT300車両が接触。早々にセーフティカーが導入されて4周目にリスタートとなりました。
ところが、それからほどなくして、また雨が降り始めたので、ホピ子はペースを落とすことに。雨もしばらく降り続ける感じだったので、14周終わりでピットに戻り、ウエットタイヤへと交換したのでした。不安定な路面状況だし、雨がどうなるかもわからないし、でも、レースをする上で、できるだけ余分なピットインはしたくない……。理想は、ルーティンの1回で留めたい。だとすれば、孝允くんの最大の仕事は、ウエットタイヤを持たせる走りをすること。
とはいえ、持たせながらそれなりのレースペースで走ることも必要。ここは孝允くんの腕の見せどころというわけです。刻一刻とコンディションが変化するため、レースでの経験値も活かしながら奮闘する孝允くん。時折、チームから無線で的確な指示も飛ぶなど、まさにチーム一丸となって周回したという感じでした。
レース周回の半分を終え、さぁこれから後半に！ という45周を終えて、ホピ子がピットに戻ります。待ち構えたスタッフがスリックタイヤへと手際よく交換。給油もして、孝允くんから誠太くんへとスイッチ！ コース上は乾き始めていたとは言え、油断すると足元を救われかねない不安定な状態。慎重になりすぎてもいけないけれど、誠太くんは状況をしっかりと踏まえた上で徐々に攻めの走りを見せたのですが……。
54周目には、タイヤメーカーが違う後続のBRZとRC Fとに先行を許すことに。最後まで諦めず前を追い続けたけれど、雨が再び落ち始め、より一層難しいコンディションになったこともあり、このままチェッカーを迎えることになりました。
終わってみれば、ホピ子はクラス10位でチェッカー！ 待ちに待った記念すべき初ポイントの1点をゲットしましたよ！ 今シーズンを戦う準備から始まり、シーズン中はまさかの“足踏み”も経験したし、考えたらチームのみんなととーっても濃厚な時間を過ごしているのですが、チェッカーを受けた瞬間にはみんなの笑顔が浮かんできました。ほんと、ここまでがんばってくれた多くの人たちに感謝、感謝です！ 言ってる間にすぐオートポリスでの第7戦を迎えます。のこり2戦、どんどん進化するホピ子をどうぞこの先も温かく見守っていただけるとうれしい限りです。
松井孝允
「スタートではタイヤの温まりも含め、やや不安なところもありました。そのなかで順位を落とすことなく走れたので、僕自身の課題は少し克服できたと思います。状況も厳しくなり、14周終わりでピットインしてウエットタイヤに交換したのですが、状況的にも厳しかったし、チームもしっかりと準備をしてくれていたのでスムーズなピットインでした」
「タイヤを持たせて走ることを常に無線でも言われていたのですが、途中、雨が止んでコースがドライアップしてきた中での走行は厳しかったですね。でもルーティンのピットインまではなんとか持たせることができたので良かったです。タイヤのパフォーマンスも良かったと思います」
「今回のレースを終えて、タイヤへの理解も深まり、クルマのセットアップにおける“ストライクゾーン”も見えてきました。このストライクゾーンをどのように発揮できるかが次のオートポリス戦に向けてのカギになるでしょう。クルマもタイヤも、より早く“おいしい部分”を見つけることが、オートポリスでよりよい結果を出すポイントになると思います」
野中誠太
「ウォームアップでは決勝に向けてのセットアップの変更をしたのですが、大きく変えることはしませんでした。バランスも良くなり、このセットでスタートを迎えました」
「路面がドライアップし、タイヤもスリックでのコースインしたんですが、どちらかというとスリックで走ることができるタイミングまで松井選手にステイアウトして頑張ってもらったという感じです。その分、ピットインのタイミングはすごくいいものでした。コースインすると、ライン上だけが乾いている感じで濡れているところもまだたくさんあって、冷えたタイヤでの数周はスリッピーな感じでしたね。なので慎重に走行したり、GT500が背後から来たときもうまくかわせるように頭を使いながら対処しました」
「終盤、前のクルマと僅差で走っていたのですが、コーナリングスピードはこちらのほうが速いものの、ストレートスピードが大きく異なるので無理して飛び込んで抜くことはしませんでした。ただ、相手のタイヤがタレてきたときを好機にしようと思っていたのですが、また雨が降って差を広げられてしまいました。今回はクルマ、タイヤともに最大限のパフォーマンスを見せることができたし、他車との違いも感じながら走れたので、レベルアップできたのではないかなと思います。僕自身もしっかりとレースが出来たので今後の楽しみが広がりました」
土屋武士監督
「手作り車両で参戦して初めてのポイント獲得は素直に嬉しく思います。若いスタッフたちが試行錯誤しながらひとつひとつハードルをクリアしていく過程を見ていると、このチャレンジをして良かったと思いますし、この環境を支えて下さっているすべての皆さんに感謝の想いが沸き起こってきます。この1ポイントは、このチームに関わっているすべての皆さんと一緒に喜びたいと思います」
「レースは難しいコンディションになりましたが、ベストなタイミングでピットワークをこなせたと思いますし、落ち着いて普段通りのレースができたと思います。ホピ子もこれからどんどん成長していくと思いますし、スタッフともどもさらにたくさんのことを吸収して、残り2戦を戦っていきたいと思います」
「ここからのハードルはさらに高くなることは承知していますし、ここを乗り越えてこそ強いチームになっていくのだと思っています。若いスタッフたちは成長することを楽しんでいますし、皆さまの期待に応えられるように常にチャレンジしていきますので、今後とも応援のほどよろしくお願い致します！」
