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MotoGP | ペトロナス・ヤマハSRT 2021年

ペトロナス・ヤマハSRT

■ペトロナス・ヤマハSRT プロフィール

 ペトロナス・ヤマハSRTはヤマハYZR-M1でMotoGPクラスに参戦するインディペンデントチーム。マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットが運営し、同じくマレーシアの国営石油企業、ペトロナスがタイトルスポンサーについている。東南アジアのチームとしては最高峰クラスを戦う初めてのチームとなった。

 チームがMotoGPクラスへの挑戦を開始したのは2019年。それまで参戦してきたアンヘル・ニエト・チーム(アスパー・チーム)の参戦枠からの参戦となった。チーム代表を務めるラズラン・ラザリ氏はセパン・インターナショナル・サーキットのCEOと、ペトロナス・ヤマハSRTの運営を兼任。MotoGPクラスの参戦に先立って、2015年からMoto3クラス、2017年からMoto2クラスにチームを参戦させてきた。このMoto3クラスのPetronas Sprinta Racingは、2019年まで日本人ライダー、佐々木歩夢が所属していたチームである。なお、チームの運営に注力するため、ラザリ氏は2020年4月をもってセパン・インターナショナル・サーキットのCEOを退任することを発表した。

 チームにとって最高峰クラスの初年度となった2019年は、フランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロを起用する。モルビデリは最高峰クラス2年目、クアルタラロはルーキーイヤーと、若いふたりのライダーが抜てきされた。

 こうしたなか、ペトロナス・ヤマハSRTは奮闘を見せる。チームスタッフにはこれまでヤマハファクトリーにいた顔ぶれが見受けられたが、新規チームであることに変わりはない。それでも、特にシーズン中盤以降、クアルタラロは王者マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)と何度も激しいレースを繰り広げ、優勝には手が届かなかったものの、7度の表彰台と6度のポールポジションを獲得した。

 モルビデリはクアルタラロの活躍の影に隠れてしまった感はあるが、実は4度のフロントロウを獲得する速さを見せている。最終的に、クアルタラロはルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、ペトロナス・ヤマハSRTとしてもMotoGPクラス参戦1年目ながら、インディペンデントチームのトップでシーズンを終えた。

 2020年もライダーラインアップに変更はなし。クアルタラロ、モルビデリともに、シーズン前のセパン、カタールの公式テストでは好調さを見せている。ちなみにクアルタラロは、セパン公式テスト2日目からファクトリースペックのマシンを走らせ、3日間の総合トップタイムを叩き出した。2019年からの勢いは変わらず、といったところか。ペトロナス・ヤマハSRTの2年目も、注目せざるをえないだろう。

(TEXT:Eri Ito)

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