ジョーカーを消化しないまま逃げるハンセンがリードを築き、同じくジョーカー未消化のエクストロームが2番手に。その背後でアウディに前を塞がれる形となったPSRXの2台は、グラベル区間で跳ねの症状が出るアウディS1 EKS RXクワトロを抜きあぐねる間、プジョー208WRXスーパーカーが大きなリードを構築。これでリザルトは決まったかと思われた。

 しかし迎えたファイナルラップ、トップを快走するハンセンのマシンがまさかのパンク。左フロントタイヤを失ったプジョーは、バランスを崩しながらイン側のタイヤバリアにヒットしつつコーナーをクリアする苦しい状態になる。

 後方から迫るエクストローム、クリストファーソン、ソルベルグの隊列に間に合うことを祈りつつ、ハンセンはジョーカーに飛び込むと、最終コーナー立ち上がりでクリストファーソンが先行し首位浮上。

ジョーカーから飛び出してきたティミー・ハンセンと、最終コーナーを立ち上がるペター・ソルベルグが横一線。わずか0.009秒差決着となった
ジョーカーから飛び出してきたティミー・ハンセンと、最終コーナーを立ち上がるペター・ソルベルグが横一線。わずか0.009秒差決着となった

 続くソルベルグとは横一線のままフィニッシュラインを通過したが、わずか0.009秒差という僅差でハンセンが2位。ソルベルグは悔しい3位となった。

「僕らはホッケンハイムで学んだことを生かして、ここでは異なる(セットアップの)アプローチで臨んだんだ。ペター(・ソルベルグ)とともに表彰台に立つことができて最高だよ」と、今季初勝利を決めたクリストファーソン。

 2位に入ったハンセンも、週末のポロの驚速ぶりを認めつつ「まさか自分が彼らの速さについていけるとは思っていなかった」と振り返った。

「3周目にペターをかわした動きは完璧だった。その後の数分は人生でも最高の時間だったよ。残念ながら最後はパンクに見舞われて一番手に入れたいものを逃したけど、僕らはその近くまで来ているし、すぐに優勝を手にできると思う」とハンセン。

 一方、チームメイトの勝利に賛辞を送ったソルベルグは、自らの週末は予選から度重なったパンクによって、決勝の自由度が下がったことが敗因だと語った。

「ヨハン(・クリストファーソン)には本当におめでとうと言いたい。僕らは開幕から速かったし、4戦連続で2台ともにファイナルに進出していて、チームは本当に素晴らしい仕事をした」

「僕に関して言えば、予選から3度もパンクに見舞われ、決勝で最適なコンパウンドを選ぶ余地が残されていなかった。それでも、僕らはうまく戦ったと言っていいと思う」

 最終的に4位にエクストローム、5位にMJPレーシング・チーム・オーストリアのケビン・エリクソンのフォード・フィエスタRXスーパーカーEvo.3が入り、6位バッケルドがDNFながら1ポイントを獲得している。

この勝利で、選手権首位のマティアス・エクストローム101ポイントに対し、ヨハン・クリストファーソンは98ポイントまで迫った
この勝利で、選手権首位のマティアス・エクストローム101ポイントに対し、ヨハン・クリストファーソンは98ポイントまで迫った

 これで選手権首位のエクストロームに対し、2位のクリストファーソンはわずか3ポイント差まで迫り、3位にソルベルグがつける混戦模様となってきた。次戦第5戦のイギリス・リデンヒル戦は5月25~26日の開催となり、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権のスタードライバー、アンドリュー・ジョーダンがゲスト参戦する予定となっている。

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