近い将来についてはどうだろう? マルケスはロレンソと新たなチームメイトとなる。そして、ロレンソより手ごわいチームメイトはMotoGPにはいないだろう。過去10年半以上にわたり、ロッシはすべてのライバルを倒してきた。マックス・ビアッジ、セテ・ジベルナウ、そしてケーシー・ストーナーさえもだ。だがコース上でも外でも、ロッシが倒せていないライダーがふたりいる。

 マルケスとロレンソの要塞は、いまだロッシに破られていない。マルケスとロレンソは、ロッシの心理戦やコース上での動きをただ切り抜けるのではなく、ロッシの要塞を征服してしまったのだ。

 今ではこれら強固な精神の持ち主であるふたりは、同じガレージにともにいて、お互いの失脚を企んでいる。これがMotoGPにおけるセナ対プロストの時代だ。実際にはそれ以上のものかもしれない。

 1988年のF1でプロストのいるマクラーレン・ホンダに加入したセナは新人だった。だがセナはプロストを負かし、その年のF1タイトルを獲得した。理論的にマルケスは、2019年シーズンにはロレンソよりも優位にあるだろう。マルケスはすでにRC213Vでの経験が6年もあってマシンを理解している。

バレンシアテストでホンダRC213Vをテストするホルヘ・ロレンソ
バレンシアテストでホンダRC213Vをテストするホルヘ・ロレンソ

 一方のロレンソは、ドゥカティでそうだったように、まったく新しいライディング技術を探り当てなければならないかもしれない。

 マルケスは2019年型RC213Vに乗る最強のライダーであるに違いないが、ロレンソがホンダでレースに勝つことはできないという意見には私は賛成しない。2018年シーズンは、3度のMotoGPチャンピオンであるロレンソが、知られることのなかった不屈の精神と多様な才能を備えていたことを教えてくれた。2019年と2020年にロレンソがどのような力を発揮するか誰に分かるだろうか?

 私も2019年シーズンは誰が勝つかは分からないし、知りたいとも思わない。私が知っていることのすべては、コース上でも、ガレージでも、いたるところでMotoGPが最高の見ものになるということだ。

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