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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.11.11 08:05
更新日: 2020.11.11 09:27

【レースフォーカス】中上、“ちょっとがっかり”な自己ベストタイの4位。表彰台に返り咲いたMoto3小椋/MotoGP第13戦

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MotoGP | 【レースフォーカス】中上、“ちょっとがっかり”な自己ベストタイの4位。表彰台に返り咲いたMoto3小椋/MotoGP第13戦

 Moto3クラスでは、まさしく小椋が表彰台に戻ってきた。2020年シーズンの開幕戦カタールGPで3位表彰台を獲得したのを皮切りに、表彰台獲得回数を積み上げてきた小椋。表彰台争いの常連となり、あとは初優勝を待つばかり、のはずだったのだが。

 風向きががらりと変わったのは第9戦カタルーニャGPからだ。表彰台争いどころか、トップ集団にも加わることができないレースが続いた。小椋は特にレース終盤に強く、最終ラップまでにするするとトップ3あたりに浮上して、最終ラップの混戦を巧みに制し、表彰台を手にすることが多かった。しかし、第9戦カタルーニャGPから第12戦テルエルGPまでは、いかに終盤に強いといっても、表彰台争いに加わることが難しいポジションを走っていた。

 結果を見てみると、第9戦が11位、第10戦が9位、第11戦が14位、第12戦が9位。シーズン前半の小椋の強さを考えれば、首をひねりたくなる結果だ。チャンピオンシップではランキング2番手を維持していたが、第12戦を終えてランキングトップのアルベルト・アレナス(Valresa Aspar Team Moto3)との差は19ポイントに広がっていた。

 苦しいレースが続いていた小椋。しかし第13戦ヨーロッパGPでは、強い小椋が戻ってきた。予選で8番グリッドを獲得すると、1周目には6番手付近に浮上する。Moto3クラスはオープニングラップから終盤まで、ライダーたちがほとんど連なってあちこちでオーバーテイクが繰り返される混戦となるので、6番手といってもトップ集団に入る位置である。

 しかし2周目にアクシデントが発生。小椋の前を走っていたセレスティーノ・ビエッティ(SKY Racing Team VR46)と、アロンソ・ロペス(Sterilgarda Max Racing Team)が転倒。このとき、4番手を走っていたアレナスのマシン後部にロペスのマシンが接触し、アレナスのマシンの一部が破損してしまった。

 レース後、motogp.comでアレナスがコメントしていたところによれば、右側のフットペダルが壊れてしまったのだという。アレナスはピットインを余儀なくされた。その後、ペダルを修復して再びレースに加わったが、周回遅れにもかかわらず上位陣のポジション争いに加わったためブラックフラッグが提示され、失格となった。

 小椋はこのあともトップ集団でレースを続け、最終ラップにはトニー・アルボリーノ(Rivacold Snipers Team)を交わして3番手につけると、そのポジションを守り切ってフィニッシュ。面目躍如の走りで5戦ぶりの表彰台を獲得した。

 レース後の会見のなかで、小椋は「ここ数戦は後方でのフィニッシュで厳しいレースだったので、とてもうれしいです」とコメントしていた。会見ではいつものように落ち着いた表情ではあったが、その口ぶりにはどこかほっとしたものが混ざっていたように思う。

 また、ここ数戦、精神的にいつもとは違っていたと語った小椋に、今回の結果をもたらしたポイントは何だったのかと尋ねた。

「ひとつの問題としては、バルセロナ(カタルーニャGP)から気温が低かったということなんです。それに適応できませんでした。速く走れないと精神的にほんの少し沈んでしまって、それでさらに遅くなってしまいました。でも、今週はウエットコンディション、ミックスコンディションが僕の助けになりました。アクシデントもあって、表彰台を獲得できましたが、まだ完ぺきなパフォーマンスではないので、継続していきます」

 アレナスが失格、0ポイントになったことで、アレナスと小椋との差は3ポイントにまで縮まった。この3位表彰台は、小椋にとって残り2戦に向け、そしてタイトル争いに向けても好材料になるかもしれない。

2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP Moto3クラス:優勝はラウル・フェルナンデス、2位:セルジオ・ガルシア、3位:小椋藍
2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP Moto3クラス:優勝はラウル・フェルナンデス、2位:セルジオ・ガルシア、3位:小椋藍


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