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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.08.18 08:17
更新日: 2021.08.18 14:32

【レースフォーカス】濡れる路面状況と減っていく周回数のなか、分かれた選択と明暗/MotoGP第11戦オーストリアGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】濡れる路面状況と減っていく周回数のなか、分かれた選択と明暗/MotoGP第11戦オーストリアGP

 対して、スリックタイヤでレースを走り切ったライダーもいた。周回数が少ない終盤に変わった状況だけに、選択肢は分かれ、スリックタイヤ勢とレインタイヤ勢が入り交じった結果になっている。上述のように、ビンダーはスリックタイヤのまま走り、優勝している。
 
 8人のスリックタイヤ勢のひとりがバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)で、残り2周ではやはりスリックタイヤ勢のルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)、レクオーナとポジションを争っている。ロッシは8位でフィニッシュした。
 
 長いレース経験を持つ、さしものロッシであっても、ウエットコンディションをスリックタイヤで走る今回のような展開のレースは初めてだったという。
 
「雨がだんだん強くなっていって、最初は3コーナーと6コーナーが問題だった。残りはドライだったよ。でも、最終ラップでは状況はほんとに難しくて、バイクはどこでもスピンし始めるし、すぐにミスしてしまいそうだった。ものすごくスムーズに走らないといけなかったんだ。でも、残り5、6周でピットインしたくなかった。ピットインしたら1分くらいロスするからね」

 ちなみに、若いライダーたちと競い合ったレースについて触れ、「ポジション争いを楽しんだよ。そして最後には、彼らは僕を叩きのめしたんだ! 問題は、僕が彼らの2倍の年齢だってことだよね。レクオーナと弟(ルカ・マリーニ)の年齢を足して、僕と同じ歳になるんだよ(笑)」とも。マリーニとレクオーナは、ロッシを交わしてフィニッシュしている。レース後にはロッシがマリーニやレクオーナと肩を叩き合い、健闘を称えていた。
 
 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)もスリックタイヤで走り切った一人で、13位完走。雨が強くなっていったとき、コースのコンディションは場所によって異なっていたという。だが、残り周回数は少なく、それがさらに判断を難しくした。
 
「バイクを乗り替えるタイミングを考えましたが、残り2周だとわかって、このままスリックタイヤで走ることにしました。路面が濡れていたので、スリックタイヤで走るのは大変でした。転倒しないよう、変なミスをしないようにしました。13位という結果は不満ですが、レース中にはベストを尽くしました」

 タイミング、選択、そのときに走っていたポジション……、様々な要因が入り交じったオーストリアGPとなった。

2021年MotoGP第11戦オーストリアGP ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
2021年MotoGP第11戦オーストリアGP ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)

2021年MotoGP第11戦オーストリアGP ファビオ・クアルタラロ、バレンティーノ・ロッシ
2021年MotoGP第11戦オーストリアGP ファビオ・クアルタラロ、バレンティーノ・ロッシ

2021年MotoGP第11戦オーストリアGP決勝 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2021年MotoGP第11戦オーストリアGP決勝 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)


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