サンマリノGPでは、一人のルーキーがセンセーショナルな表彰台を獲得した。エネア・バスティアニーニ(アビンティア・エスポンソラーマ)だ。2020年のMoto2チャンピオンは今季から最高峰クラスにステップアップし、2019年型のドゥカティ デスモセディチGP19を走らせている。シーズン後半に入って、時折その速さが印象に残るようになっていた。
バスティアニーニは、12番グリッドからスタートし、マルク・マルケスやアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、そしてドゥカティのファクトリーライダーであるジャック・ミラーをかわしてレース後半には3番手に浮上し、そのままチェッカーを受けたのである。
バスティアニーニは今回の表彰台獲得について、レース後の会見でこう語っている。
「最近の3戦で、自分のスタイルを変えたんだ。走っているときの動きをさらに柔らかくした。ペッコとジャックのデータを見てね。もちろん彼らのバイクは僕のそれとは違うけれど、DNAはほぼ同じだから。今はさらにリラックスして走っているんだ」
6周目にバスティアニーニにかわされたマルケスも、「すぐにこのルーキーに今日、すごいチャンスがあるとわかったよ。ドゥカティをよく理解し、走り方をわかっている。彼はレイトブレーキングをしていて、かなりのトルクとタイヤのグリップでもってコーナーを立ち上がっていた。いい走りだった」と認める勢いだった。
「もしもっと前のグリッドからスタートしていたら、優勝争いができたかも。でも、今日の3位はいい結果だよ」と、バスティアニーニ。ルーキーとしてはマルティンが図抜けていた今季、存在感を示したレースとなった。
