Moto2クラスでは小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)、Moto3クラスでは佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)がそれぞれ、2位表彰台を獲得する活躍を見せた。

 Moto2の小椋はスタートで出遅れたため、2番手に浮上したときにはトップを走るチームメイトのソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)と約2秒の差があった。ふたりはほとんど同じペースで周回を重ね、小椋は2位でゴール。チャントラが優勝し、2009年250ccチャンピオンである青山博一監督率いるIDEMITSU Honda Team Asiaがワンツーを果たした。

 レース後、「今回の2位は満足できる?」と聞けば、小椋は「そうですね」と答えた。小椋は今週末、体調を崩していたのだという。土日にかけて体調は快復に向かったというが、「(日曜の朝、起きたときは)体調がちょっといいことがうれしかった。『お、いいぞ』って」と笑っていた。

 もてぎでは、小椋のゼッケンナンバー「79」のグッズを身に着けたとてもたくさんのファンの姿が見られ、将来、日本のエースとなるだろう小椋藍というライダーに、大きな期待が寄せられていることがうかがえた。そんなファンの声援がレースで後押しになったのでは? と聞くと、「はい、うれしいですね」と、少し控えめに笑みを浮かべる。

 そして「予選2番手だから優勝を期待されるのは当たり前ですけど、ちょっと、(優勝に)足りなかったですね」と続けるあたり、優勝という形でファンに応えたかったのだろう気持ちが伝わってきた。

 レース後には故・加藤大治郎の日の丸を持ってクールダウンラップを走り、ファンの応援に応える形でバーンナウトを披露した。

「金曜、土曜と(ファンサービスを)していなかったから……」

 波のある2023年シーズン、体調不良をはねのけ、母国グランプリでファンの期待に応える素晴らしいファイトだった。

チームメイトのチャントラとともに表彰台に上がった小椋藍(左)
チームメイトのチャントラとともに表彰台に上がった小椋藍(左)

 Moto3クラスで2位を獲得した佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)は金曜、土曜とやや苦しんでいた。ペースは悪くなかったが、一発のアタックに腐心して予選では8番手。今週末に速さを見せており、また、チャンピオン争いでもライバルであるジャウマ・マシア(Leopard Racing)がポールポジションで、佐々木の前からスタートする状況だった。

 佐々木はマシアがレースを引っ張ると予想していたが、同時にマシアについていくペースがあるとも考えていた。

 果たして、レースは佐々木の予想通りの展開となった。ただひとつ予想外だったのは、デニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)が表彰台争いに加わってきたことだ。インドGPを終えてランキング5番手に後退したオンジュにとって、チャンピオンシップを考えれば日本GPの結果は重要だったのだろう。

 気持ちのこもった走りではあったが、レース中盤にオンジュは転倒し、佐々木は2番手を確固たるものとした。最終ラップにはダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech 3)に90度コーナーでのオーバーテイクを許したが、佐々木はメインストレートでホルガドを抜き返し、0.056秒差の2位でゴールした。

「ダニエルが後ろにいるのはスクリーンで見てわかっていました。できれば2位で終わりたいなと思っていたけど、ぶつかっても……と考えていたんです。90度で(オルガドが)入ってくるのはなんとなくわかっていましたね。最終コーナー立ち上がりのグリップは僕のほうがずっとよかったから直線で抜けるかと思ったら、向こうがミスもしてくれたので」

 日本GPの結果により、Moto3クラスのチャンピオンシップは、マシアがランキングトップに浮上。佐々木が6ポイント差のランキング2番手に再浮上した。ランキング3番手はオルガド。佐々木は、マシアとオルガドがタイトル争いの実質的なライバルだと考えているが、特に「心配はマシアですね」と言う。

「レオパードがアジアに入ると速くなるのは毎年のことなんですよ。でも、自分もアジアでは得意なサーキットしかないです。ただ、バレンシアがあまり得意じゃないので、カタールまでにどれだけポイントを稼いで、最終戦に入れるか、ですね」

 佐々木は日本GPでの2位により、今季8度目の表彰台獲得となった。残り6戦、チャンピオン争いへと突き進む。

佐々木歩夢も加藤大治郎が加藤大治郎が2001年、鈴鹿で優勝したときの国旗を掲げてクールダウン・ラップを走った
佐々木歩夢も加藤大治郎が加藤大治郎が2001年、鈴鹿で優勝したときの国旗を掲げてクールダウン・ラップを走った

本日のレースクイーン

奥西はつみおくにしはつみ
2025年 / スーパー耐久
AutoLabo Lady
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円