Ksフロンティア KTMカーズ
RACE REPORT
2025 Round.07 FUJI
Qualify : OCTOBER 25 / 1st RACE : OCTOBER 26 / 2nd
■PRACTICE
NOVEMBER 13-14 [THU/FRI] CLOUDY-FINE / DRY
岡山国際サーキットで行われた第6戦では、チャンピオン争いのライバルである#47 ポルシェに対して敗れ、タイトル争いでは崖っぷちの状況に追い込まれてしまったKsフロンティアKTMカーズ。迎えた今シーズン最終戦の舞台は、2025年同様富士スピードウェイだ。
4時間で争われる最終戦のレースウイークは、11月13日(木)のスポーツ走行でスタートした。シンティアム アップル KTMは、初日はスポーツ走行1回を加藤寛規と吉本大樹の手により走行し、バランス確認等のメニューを行っていった。
走行2日目となった11月14日(金)は、晴天のもと午前9時35分からSTMO専有走行1回目が、午後1時25分からSTMO専有走行2回目が行われた。この日から井田太陽と高橋一穂が合流し、専有走行1回目では37周を走行。1分45秒129を記録しST-1クラスの首位に。2回目も40周を走り、1分44秒444というベストタイムをマーク。いずれも#47 ポルシェを上回ってみせた。ただ、その差は僅差で安穏としていられない差。渡邊信太郎エンジニアも「第3戦富士のときもこのくらいの差でしたし、相手もユーズドタイヤでのタイムですからね。あちらの方が今のところ速いかもしれません」と警戒した。
まずは予選で先行し、ポールポジションの2ポイントを得るべく、チームは調整を続けていった。
■QUALIFY
NOVEMBER 15 [SAT] FINE / DRY
1日半の走行を終え、迎えた11月15日(土)の予選日は、フリー走行はなく午後1時から晴天のもと公式予選が行われた。
シンティアム アップル KTMは、まずは井田がステアリングを握りAドライバー予選に出走すると、1分44秒007を記録。続くBドライバー予選では、加藤が1分43秒413を記録し、合算タイムで3分27秒420に。ライバルの#47 ポルシェを大きく上回りポールポジションを獲得した。これでポールに与えられる2ポイントを加算し、#47 ポルシェとの点差を縮めることができた。
ただ、続くCドライバー予選では、高橋の走行中に13コーナーでST-4クラスの車両と接触してしまうアクシデントが起きた。スピンを喫することになったが、幸いダメージはなく1分51秒157を記録。Dドライバー予選では吉本が1分45秒000を記録し、公式予選を終えることになった。
チームは改めて、他車との接触を避けるべく井田と高橋にパッシングの活用を伝え、決勝への準備を進めた。
■RACE
NOVEMBER 16 [SUN] FINE / DRY
公式予選から一夜明け、迎えた11月16日(日)の決勝日。2万6100人のファンが見守るなか、午後1時にいよいよ決勝レースの火ぶたが切って落とされた。シンティアム アップル KTMにとって、逆転チャンピオンを獲得するには優勝を飾り、かつ#47 ポルシェがリタイアしなければならない他力本願な状況ではあるが、まずは優勝を飾ることが大前提。スタートからレースを優位に運ぶべく、チームは吉本をスタートドライバーに据えた。
そんな期待に応え、吉本はレース序盤からAドライバーがスタートを担当した#47 ポルシェに対しグイグイとリードを広げていった。
吉本はしっかりとマージンを保ち、37周を終えてピットインすると、今度は井田に交代。一方の#47 ポルシェも35周でピットイン。このスティントでは井田も非常にペースが良く、#47 ポルシェに対して吉本が築いたリードをさらに広げていくことに成功することになった。
レース中盤になると、他クラスではトラブル車両も発生しはじめたが、今季激しい戦いを展開してきたST-1クラスの2台は、トラブルなくレースを進めていく。井田は37周のスティントを終えピットインすると、高橋に交代した。
一方の#47 ポルシェは、ここから追い上げ。若手が乗り込み、高橋とのギャップを縮めていくが、この日は家族も観戦しに訪れていた高橋はリードを守り切り、21周のスティントを終えてピットイン。アンカーを加藤に託した。
終盤、加藤と#47 ポルシェの差は10秒ほどに近づくことになったが、#47 ポルシェが最後のピットインを終えるとふたたびその差は拡大。シンティアム アップル KTMは2周差をつけ今季最終戦を勝利で飾ってみせた。
ただ、2位で完走した#47 ポルシェが2025年のST-1クラスのチャンピオンを獲得することになった。2021年から続いていたシンティアム アップル KTMのクラス連覇は4でストップすることになった。しかし、この最終戦でみせた完勝劇は、チームの力を示すに十分なものとなった。
■DRIVER COMMENTS
Taiyo IDA 井田 太陽
「決勝レースはとても良い戦いができました。あの戦いぶりをシーズンを通してできていたらと悔やまれるところではあります。僕のスティントでもクルマは良いバランスでしたし、好ペースで走ることができました。今回優勝できたのは良かったですが、シリーズチャンピオンという結果を残せなかったのが残念でしたね。とはいえ、最終戦を勝利で締めくくることができたのは本当に良かったです」
Hiroki KATO 加藤 寛規
「スタッフもドライバーも、今日は素晴らしい仕事をしてくれて『ここまでできるんだ』ということを最後に見せつけられたと思います。良いかたちでシーズンを締めくくれたのではと思います。特に今回、お孫さんの応援団を連れてきた高橋さんが本当に頑張ってくれました。年齢を感じさせない走りでしたし、引き続き頑張って欲しいですね。このみんなだったら、まだまだ来シーズンも頑張れると思いました」
Kazuho TAKAHASHI 高橋 一穂
「優勝はできましたが、チャンピオン争いを考えるとちょっと手遅れでしたね(苦笑)。今シーズン最終戦で今回は孫も観に来ていましたが、レース中のスティントもボチボチのペースで走ることができたのではないかと思っています。今日はちゃんとチームみんながミスなくレースができましたからね。それは良かったのではないでしょうか。来年もまた頑張りたいと思っています」
Hiroki YOSHIMOTO 吉本 大樹
「スタートを担当し、順調にリードを広げることができました。井田選手も高橋選手もすごく良いペースで、加藤選手も最後まですごく速かったですね。ただ終盤、これだけ暗くなるのであればコースの灯りをつけるなど、ちゃんと配慮していただかないと危ないと思いましたね。残念ながらチャンピオンは獲れませんでしたが、全体的にベストなレースができました。良い形でシーズンを締めくくれたと思います」


