フェラーリ育成ドライバーのフォッコがトップ集団から大きく引き離された4位でレースを終え、昨年優勝経験もある地元スペインのアレックス・パルーが19位と低迷するなど、GP3は決して簡単なシリーズではない。ジャン・アレジの息子ジュリアーノは、トラブルによるピットレーンスタートで最後尾まで落ち、最後まで浮上のきっかけをつかめなかった。
まだニューマシンでのロングランデータが十分でないということもあってか、初戦はGP3にしては珍しいくらい静かなレース展開となった。首位は福住のチームメイトであるシャルル・ルクレールで、2位のジェイク・ヒューズは次第にペースが低下。レース終盤に福住はヒューズまで2秒以内と迫ったが、結局トップ3は変わらず、チェッカーフラッグを受けることとなった。
「この場にいられることが、うれしいです。ホンダさんとARTのみんなに感謝したいです」
ヨーロッパに来て、初戦で3位表彰台。しかし福住自身この程度では、まだ満足していないようだ。
「この感じならGP3でも戦っていけそうです。でも、もうちょっと速く走れたかなとも思います。自分自身まだ走りを変えられると思うんで、頑張りたい」
アドバイザーの鈴木亜久里と松浦孝亮も福住の安定感ある走りを絶賛し、山本雅史モータースポーツ部長などホンダ関係者も表彰台の下に駆けつけた。過去にエステバン・グティエレスやバルテリ・ボッタス、ダニール・クビアトらがチャンピオンに輝き、F1に直結するキャリアを切り開いたGP3で、福住はさらなる活躍を見せてくれそうだ。