予選Q3にフェラーリはインターミディエイトでコースイン、この判断が“批判”されたがスーパーソフトタイヤに換装してからもベッテルは精彩を欠いた。
初日と同じようにあちこちでふらつき、タイヤ選択の誤りを自分がなんとかしようと焦り、リズム感が狂っていったのだろう。ちょっと濡れた程度の路面が不得意ではないのに、Q2自己ベストタイムから1.913秒ダウン、1分30秒192=9位は信じられない“失速”だった。
ハミルトンはチームの最適なタイヤ選択・判断もあり、Q2自己ベスト(2番手)から濡れている路面で1分27秒760を出しきる。条件悪化したQ3なのにタイムアップしたのは彼ひとりだけだった。
期待されたコースレコードは小雨によって更新されなかったが、昨年ポールポジションタイムからたった0.441秒差の1分27秒760は驚異的。ベッテルとフェラーリはこの瞬間に、彼我のパフォーマンス差異に打ちのめされたと思う。

何が起こるか分からないのがレースだが、ハミルトンとメルセデスには何も起こらなかった。起きたのはフェラーリ勢で、マックス・フェルスタッペン(3位)にふたりともひっかきまわされた。予選4番手のライコネンは5位、予選9番手のベッテルは6位。ハミルトンからは約1分10秒も遅れ、すぐ後ろの7位“Bリーグ”先頭のセルジオ・ペレス(フォース・インディア)とは9秒差でしかなかった。
最終盤戦『30回鈴鹿・F1日本GP』で2018年シーズンの大敗ゲーム、フェラーリがドライバーズチャンピオンシップに勝ってからもう11年のときが過ぎた――。
