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F1 ニュース

投稿日: 2016.09.07 12:47

今宮純の決勝インプレッション:フェラーリの確かな進歩、されど敵の背中は遠く

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F1 | 今宮純の決勝インプレッション:フェラーリの確かな進歩、されど敵の背中は遠く

 ジェンソン・バトンは、そうはいかなかった。危険地帯の14位グリッドから、やや鈍い加速で集団の中にはまった。1コーナーはスクランブル交差点状態、外側に出て難を逃れるが順位を下げてしまい、レズモでザウバーの若者に押し出される。最後尾まで落ちて22番手から、298戦目の“モンツァ・ラストラン”、追突されて1周リタイアとなったスパの二の舞だけは免れる。

 超高速戦イタリアGPでは2003年に、ミハエル・シューマッハーが1時間14分19秒838の「フルレース・最短タイム」を残している。他のグランプリより30分くらい短いレース、スピーディな展開がイタリア人気質に合っている。

 ワンストップ単独走のまま、ロズベルグが1時間17分28秒089で走破、昨年ハミルトンは1時間18分00秒688だった。30秒以上も短縮、今年メルセデスの“豪速”ぶりが感じられる。

 3 – 4スタートから、そのままフィニッシュしたフェラーリ。3位ベッテルは1時間17分49秒079だった。昨年2位の彼は1時間18分25秒730だから、35秒以上も縮めている。ベッテルもライコネンもパフォーマンス向上を自覚していているが、さらにメルセデスは先へ先へと行ってしまった。最近コクピットに収まるとき、ベッテルがほぼ同年代のロマン・グロージャンやニコ・ヒュルケンベルグよりも老けたように感じる。

 本社会長ならびにVIPが難しい表情で観戦するガレージの様子は重苦しく、責任感が強いベッテルはフェラーリ2年目のプレッシャーを両肩に背負っているかに見える。表彰セレモニー前、控室でピレリの「1stキャップ」をかぶってしまい、まわりに指摘された。いままでのベッテルなら笑ってギャグのひとつもやってみせただろうに……。

 名物の空中表彰台に立つと、はしゃぐティフォシたちに笑顔で応えたベッテル、今シーズン最も厳しく耐えねばならなかったイタリアGPが終わった。


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