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F1 ニュース

投稿日: 2021.06.23 17:04
更新日: 2021.07.01 17:10

軒並みワースト評価で前戦バクーから「2歩後退」/角田裕毅の海外メディア評 F1第7戦

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F1 | 軒並みワースト評価で前戦バクーから「2歩後退」/角田裕毅の海外メディア評 F1第7戦

 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、F1第7戦フランスGPを決勝13位で終えた。

 予選Q1の最初のアタックでクラッシュを喫した角田は、損傷したギヤボックスやフロア、サスペンションなどの交換を余儀なくされてしまう。規定によりピットレーンからスタートした決勝ではミディアムタイヤで序盤から追い上げを見せ、15周目にピットに入るとそのままハードタイヤで残り40周近くを走りきり角田は13位完走を果たした。

 ピットレーンスタートから7台を抜いての13位完走とはいえ、本来のアルファタウリ、そして角田裕毅の実力からすると少し物足りない結果となったフランスGP。今回も海外のメディアが角田の走りをどう評価したのか、彼らの採点とコメントから見ていこう。

 全ドライバーを10点満点で採点するイギリスの放送局スカイ・スポーツが角田裕毅に下した裁定は5点。エステバン・オコン(アルピーヌ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)と並び、まさかのワーストの点数だ。

 スカイが角田に寄せたコメントには低評価の理由がはっきり示されている。それはなんといっても予選でのミス。スカイは「ルーキーのミスはたしかに許されるべきだ」と譲歩はするが、「しかし角田の予選でのミスは3回目、Q1だけでも2回目だ」とそれが繰り返されていることを指摘する。

 これまでも予選を自身の課題としてきた角田だけに、Q1でのミスはなんとしても避けなければいけないところ。しかもそれが2回目ともなると、すでにグランプリ8戦目を迎えた角田には『ルーキーだから』という言い訳も苦しくなってくる。それがスカイの本音のようだ。

 一方、決勝は「かなり良くなってきた」と評価するものの、スカイにはまだ気になるところがある様子。「(前に他のマシンがいない)クリーンエア時の(ピエール・)ガスリーのレースペースには遠く及ばない」と角田の問題点を述べる。フランスGPで、角田とガスリーにはレース中のファステストラップで約0.9秒の差があり、全体的なペースでもガスリーにかなりの分があった。もちろんふたりが置かれた状況や作戦には違いがあり単純に比較することはできないが、この差は気になるところだ。

 専門サイトF1iの採点では角田は10点満点中の5,5点を与えられた。同じく5,5点となったニキータ・マゼピン(ハース)、ミック・シューマッハー(ハース)とともに、ルーキー3人揃って全ドライバー最低の評価に甘んじることとなった。

 前戦のバクーと比べて「2歩後退」と厳しく査定するF1iは、レース序盤に角田が見せた追い上げは評価するが、その後ハードタイヤで走るキミ・ライコネン(アルファロメオ)のオーバーテイクに手こずったことには批判的。さらに終盤に角田がウイリアムズのジョージ・ラッセルにもオーバーテイクを許したことに対しては、「(アルファタウリの本拠地がある)ファエンツァの有力者たちにとって、将来のスター候補がウイリアムズに抜かれるのは面白くないだろう」とコメント。予選に加えてこれも角田への低評価の理由となったようだ。

 もちろん、このとき角田のタイヤが相当苦しい状況にあったのは本人も認める通り。同時期にピットに入っていたルクレールが2ストップを余儀なくされたことを考えると、むしろハードタイヤでライバル以上のロングディスタンスを走りきった角田のタイヤマネジメント能力を評価することもできる。

 しかし、角田の2周後にピットに入ったラッセルにとっても状況はほぼ変わらなかったといえる。さらに、角田がそれだけの距離を走ることになったのは、コース上でライコネンを抜けずアンダーカットを狙ってピットインを選択した結果だと考えると、この評価はとりわけ厳しいものではないだろう。

 角田のフランスGPは予選のミスで大きく歯車が狂ってしまったのは間違いない。しかし、海外メディアが揃って指摘したのは決勝でも最善の走りができていたとは言いがたいこと。角田にとってはまたしても厳しい評価となってしまったが、今週末と来週末に控えるオーストリア2連戦での挽回を期待したい。


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