Q4:フェリペ・マッサが引退を撤回して、ウイリアムズに復帰するのは良いアイデアだと思いますか?

A4:私としては、いったん引退したドライバーが、現役に復帰するのはいかがなものかと思っている。しかも、舌の根も乾かぬうちにとなれば、なおさらだ。それは、引退がよくよく考えた末の結論ではなく、もはや旧所属チームと同等以上のチームには移籍できないと考えて、引退を選んだにすぎないことを証明しているように思えるからだ。

 実際のところ、マッサは引退を表明するのではなく、バトンと同様に「1年間の休養」を取ることにしてもよかったのではなかろうか。今回は結果としてウイリアムズに復帰することになったが、他のチームが突然彼のようなベテランを必要とすることも、十分にありうるのだから。たとえば、オーストラリアの開幕戦の直前に、ルイス・ハミルトンがバナナの皮を踏んづける可能性もないとは言えない。

 もうひとつの問題は、復帰によって彼自身が傷つくリスクがあることだ。一度は引退を決めながら、また現役に戻る場合、やはり精神的な面では現役を続けていた時とまったく同じではないだろう。それは判断の微妙な「ずれ」につながり、特に2016年よりも速くなっている今年のクルマでは、痛い目に遭うことになるかもしれない。

2016年ブラジルGP フェリペ・マッサ、クラッシュの後、ファンの声援に応える
2016年ブラジルGP フェリペ・マッサ、クラッシュの後、ファンの声援に応える

Q5:2016年のGP2の卒業生が、今年のF1のグリッドに並ぶことはなさそうです。F1ドライバーの育成を目的としたこのシリーズに関して、抜本的な見直しが必要だと思いますか?
 もしそう思われるとしたら、F1に最も近いというGP2の存在意義を維持しつつ、コストを抑制するには、どんな対策を講じればよいでしょうか?

A5:F1にとって最良のドライバー育成カテゴリーは、昔からずっとF3だったし、いまもそれに変わりはない。数多くの優れたドライバーたちが、この事実を証明している。

 GP2とGP3は、どちらも金儲けのために立ち上げられたものだ。これらのカテゴリーを作った人々には、かなりの政治力があり、それを駆使してF1のサポートレースとすることに成功したが、結果としてシリーズの参戦コストは高騰した。

 F1チームにとって、GP2やGP3はドライバーの実力を見定める「ショーウインドウ」にはなるし、実際に何人かの優秀なドライバーたちが、そこからF1に上がってきた。その意味において、これらのカテゴリーに存在意義がないとは言わない。ただ、近年ではチームが独自のドライバー育成プログラムを通じて、もっと早い段階から才能ある若者を発掘しようとしており、GP2やGP3がなくなってもチームはそれほど困らないだろう。

 かつてグランプリの週末には、ケン・ティレルのようなチームオーナーが、見込みのありそうな若手を見つけようと、ピットウォールから身を乗り出すようにしてサポートレースのドライバーたちを観察していた。だが、そんな時代は、もうとうの昔に終わっているのだ。

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