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 一方、このヒートで終始ビョークを追走した選手権首位のミケリスは「青いマシンはかなり速く、昨日(のFP)と比べてかなり改善されていた」との見立てを述べた。

「スタートがかなり悪かったから、すぐにポジションを落とした。でもレースの最初から力強さを感じ、マシンが活き活きとし始めた。最終的に2位でフィニッシュしたのはOKだが、マタドール(アズコナの愛称)には同情する。彼は勝利に値した。しかしときにはこういうこともある」

 予選トップ10リバースの採用でマルコ・ブティ(ゴート・レーシングチーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がリバースポールから発進したレース2は、中段グリッドからリンク&コー・シアン・レーシング艦隊が前方車両を蹴散らしながら浮上してくる展開に。

 オープニングヒートで降格ペナルティを消化したエルラシェールが、今季のツアーフル参戦が決まったドゥサン・ボルコヴィッチ(ゴート・レーシングチーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)を早々に仕留めて2番手に進出すると、さらに派手なオーバーテイクショーを演じたのがビョークに。

 このヒートを8番グリッドから出たWTCC世界ツーリングカー選手権“最後の王者”は、僚友ウルティアのリアバンパーに迫ると、続くラップでは3位争いのボルコヴィッチにも追いつき、ターン9で接触しながらも前に出る。

 これに乗じてウルティアやマ・キンファ(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)も続き、その勢いを見た2番手エルラシェールはビョークを先行させ、ホンダのブティ攻略を任せる。

 その期待どおり、13周目のターン9でFL5型シビックのイン側に鼻先をねじ込み、接触しながらもトップに躍り出たビョークに続き、エルラシェールもこのバトルに乗じて2番手へ。その数コーナー後、ビョークはチームメイトを先頭のポジションへ戻す徹底したチームプレーを演じてみせる。

 一方のブティは、ウルティアと複数コーナーでホイールをぶつけ合うバトルを強いられ、表彰台圏内から脱落。最終的に17周を終えてエルラシェール、マ・キンファ、そしてビョークの順でチェッカーを受け、4位にエステバン・グエリエリ(ゴート・レーシングチーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)、5位アズコナのトップ5となった。

 しかしレース後のスチュワードは、これらバトルの中で規約違反の行為があったとして3名にペナルティを課し、レース2チェッカー後のスローダウンラップで、グエリエリに激突したウルティアを実質的に週末から追放する措置を採った。

「スチュワードはビデオ映像を検証し、この問題について徹底的に議論した結果、112号車のドライバー(ウルティア)が186号車(グエリエリ)との衝突の責任を負っていると判断した。チェッカーフラッグが振られた後、112号車は速度を落とさずに複数の車両を追い越し、186号車に近づく際に減速し、186号車との故意の衝突を引き起こした。112号車のドライバーは自分の責任と意図を認め、186号車のドライバーに謝罪した。そのためスチュワードは112号車のドライバーがその操作の責任を負っていると判断し、宣告のペナルティが適切であると決定した」

 さらにホンダのブティとシアン・レーシングのビョークにも接触による5秒加算ペナルティが課され、後者は3位表彰台から6位へと降格。最後の表彰台はグエリエリが手にする結果へと変わっている。

 そんな禍根を残す結末となったFIA TCRワールドツアーの続く第4戦は、そのままアメリカ大陸を南下してブラジルへと移動し、7月20~21日にインテルラゴスで争われる。

北米初上陸、ゲスト多数の「クレイジーな週末」はビョーク先勝でリンク&コーが連勝/TCRワールドツアー第3戦
欧州シリーズのみならず、世界戦レギュラーの座も射止めたドゥサン・ボルコヴィッチ(ゴート・レーシングチーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)
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レース2は、中段グリッドからリンク&コー・シアン・レーシング艦隊が前方車両を蹴散らしながら浮上してくる展開に
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冷静沈着なチームプレーにより、ヤン・エルラシェール(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)がレース2勝者に
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ただしペナルティ裁定により、リンク&コー・シアン・レーシングのワン・ツー・スリーフィニッシュは幻となった

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