ブラジル自動車連盟の承認を受けた新しい規定では、前述の企業に加えてサンパウロの技術研究機関であるIPT(Instituto de Pesquisas Tecnológicas)や、国立産業サービスのSENAI(Serviço Nacional da Indústria)らが参画。開発にはドイツの世界的企業シーメンスとIPTのコンピューターシミュレーションが活用され、カーボンファイバーとアラミド繊維、グラスファイバーにケブラーを使用した複合ボディカウルの製造は、こちらも世界的自動車部品メーカーであるマグナのブラジル現地法人が担当している。

 さらにエクストラック製の6速シーケンシャルギヤボックスとペンスキー・レーシング製マルチWAYショックアブソーバーを備えたプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンサスペンションを備え、HipperFreios(ヒッパー・フレイオス)製ベンチレーテッドディスクとCobreq(コブレック)製ブレーキパッドに、イギリスAPレーシング製のフロント6ポッド、リヤ4ポッドキャリパーを組み合わせる。

 これら車両開発の技術的分野を統括するアウダーステック社のCEOを務めるエンツォ・ボルトレトは、この地域では「このようなプロジェクトはこれまでなかった」とし、南米のモータースポーツにおける「新たな章が始まろうとしている」と期待を寄せる。

「何年もの作業と多額の投資を要し、さまざまな地域、国籍、最先端の企業を統合した。当初はアルセロール・ミッタルの特殊鋼開発から、電子機器、エンジン、ギヤボックス、コクピット、安全システムの組み込みまで、その分野は多岐にわたる」と続けたボルトレト。

 その規約に則し、ベースモデルに現地生産のBセグメントSUV『トラッカー』を選択したGM南米のマーケティングディレクター、クリス・レゴも「この新規約は製品の成功イメージを強化するもの」だと賛同の意を示す。

「このトラッカーは南米でもっとも売れているコンパクトSUVであり、トラッカーがストックカーのシボレー代表として選ばれたのは、直近のブラジル国内市場を席巻するセグメントであるSUVに対し、消費者が求める欲求を具現化したシリーズの革新的な姿を反映するものだ」

来季2025年導入の新世代“SUV”ストックカー第1弾『シボレー・トラッカー』を初公開/SCB
「目的はドライバーにさらなる競争力をもたらし、従来のファンのみならず潜在的な人々にも興奮をもたらすことだ」とVicar社のCEOであるフェルナンド・ジュリアネッリ
来季2025年導入の新世代“SUV”ストックカー第1弾『シボレー・トラッカー』を初公開/SCB
鋼管パイプフレームを採用した新設計シャシーに、新開発の直列4気筒2.1リッターの直噴ターボエンジンを搭載する

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