昨年度チャンピオンでニューガーデンの先輩チームメイトであるシモン・パジェノーは、ニューガーデンと同じタイミングでピットストップを行いながら燃費の状況はかなり厳しく、3位キープに徹するしかなかった。

 予選でファイナルに進めずに7番手スタートだったニューガーデンだったが、彼より前方の5番グリッドからスタートしていたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)と1周目に接触して後退。

 ニューガーデンはヒンチクリフをパスし、パジェノーも抜いたことで1回目のピットストップを終えたところで2番手に浮上していた。

エド・カーペンター・レーシングから名門ペンスキーに移籍したニューガーデン
エド・カーペンター・レーシングから名門ペンスキーに移籍したニューガーデン

■クレバーな走りをみせるドライバーに

 トラブルを避け、マシンを無傷に保てばチャンスは巡ってくる。まだ26際を若いニューガーデンだが、インディカーで好成績を挙げるために大事なポイントをキッチリ押さえている。第2戦ロングビーチでの 3位フィニッシュも8番手スタートから掴んだものだった。

 今回の彼はタイヤチョイスも良かった。上位陣と敢えて異なるハードコンパウンドのブラックタイヤを選んでスタートし、次のスティントは逆にソフト・コンパウンドのレッドタイヤで走行。そして、重要な後半の2スティントではブラックを続けざまに使った。彼のブラック装着での速さが勝利に繋がった。

 2013年のサンパウロでのレースを思い出す。初優勝のチャンスを掴んだニューガーデンは、磨耗したタイヤで戦う佐藤琢磨にアタックしたが攻略できず、逆にタイヤを消耗したため、ラスト5周で2位から5位に転落してしまった。

2016年アイオワ戦/ライバルを引き離すニューガーデン
2016年アイオワ戦/ライバルを引き離すニューガーデン

 しかし、その後のニューガーデンは着々と力をつけていった。常勝軍団を束ねるチーム・ペンスキーのロジャー・ペンスキーが2015年のインディカー復帰早々にインディ500で優勝したファン・パブロ・モントーヤをレギュラーから外してでもニューガーデンが欲しいと考えたのは、2016年のアイオワでの戦いぶりを見た時だっただろう。

 骨折した手をギブスで固めていながら、2位以下を寄せつけずに圧勝したレースだ。あの時、誰もが本格派のアメリカ人スターが誕生したと思った。“最強のレーサーになりたい”という純粋な情熱に溢れた走りだった。
移籍後初勝利を飾ったニューガーデン。トップドライバーとして第一歩を踏み出す

 バーバーでの勝利の後にニューガーデンは言った。

「ゴール前に凄いバトルが始まるだろうとワクワクしていた。僕とウィルとディクソンの3人による優勝争いだ。僕のマシンはとても速かった。ウィルは確かに非常に強いと映っていたが、彼にチャレンジすることはできたと思う」

 パワーに不運が襲いかからなくても彼には勝つ可能性があったというのだ。今シーズン、彼らの白熱したバトルが何度も見られることを楽しみにしたい。

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