決勝翌日にはヴィクトリーセレブレーションが行われ、33人それぞれの賞金を発表するのもインディ500の伝統だ。額の大きさに自信アリということなのだろう。
昨年のウイナー、アレクサンダー・ロッシは254万8743ドル。2009年に自身の3勝目を挙げたエリオ・カストロネベスは300万ドル越えの賞金を手にした。今の為替レートだとロッシが約2億9000万円以上、カストロネベスは3億4000万円以上だ。

インディ500は伝統的に5月を丸々1カ月使って行われ、5月最終月曜日の戦没者追悼記念日前日に決勝レースを開催してきた。
参戦経費抑制を目的に今は日程が短くされているが、それでもプラクティスは予選前に5日間あり、予選は土曜と日曜の2日間行われる。
ここ数年は予選だけターボのブースト圧が上げられ、ハイパワーになりスピードアップするので、予選を終えた翌月曜日にはノーマルブーストに戻したマシンで練習走行が行われるようになっている。
さらに、カーブデーと呼ばれる金曜日には最後の走行があり、決勝日にウォーム・アップランはなく、いきなりレースのスタートとなる。
ルーキーはルーキー・オリエンテーション・プログラム(ROP)への参加が義務付けられる。オーバルコースはなめてかかると危険であり、ほかのドライバーたちに迷惑をかけないためだ。
1991年、F1ワールドチャンピオンを3度獲得したネルソン・ピケは、プラクティスで大クラッシュした。ROPではスピードを徐々に上げて行き、連続ラップを行う。そこでのマシンのコントロール能力をチェックされる。合格したら他のドライバーたちとの一緒に走るプラクティスへの参加を許される。
その時、ルーキーのマシンはリヤからそれとわかるよう黄色いラインが装着され、それは初のレースを終えるまで貼っておかなければならない。後方から見えるカーナンバーも黄色。1993年のナイジェル・マンセルも、2012年のジャン・アレジもルーキーストライプを纏って戦い、今年参戦しているフェルナンド・アロンソも同じだ。

日本人ドライバーは1991年のヒロ松下が最初で、それ以降は松田秀士、服部茂章、中野信治、高木虎之介、ロジャー安川、松浦孝亮、武藤英紀、佐藤琢磨がチャレンジしてきた。
2003年の高木の5位が最高位。2012年には佐藤が最終ラップを2位で迎え、ターン1でトップのダリオ・フランキッティにアタック。結果はスピン&クラッシュとなったが、これが日本人ドライバーが最も勝利に近づいたレースだった。ルーキー・オブ・ザ・イヤーは03年の高木、04年の松浦が受賞している。
出場マシンは伝統的に33台。1列3台、11列で切られるローリングスタートはエキサイティング。500マイルの死闘を戦ってウイナーとなった者はビクトリーレーンで牛乳を飲む。これもインディならではの伝統だ。ガレージやピットに入るためのパスが金属製のバッジ…………なんていうユニークさもインディ500にはある。
15日からスタートした第101回インディ500。世界中が注目するレースをぜひ楽しんでほしい。
