72回目を数える伝統のマカオGPは、今週末2025年11月13日(木)~16日(日)に開催される。年一回、中華人民共和国・マカオ特別行政区で開催される同イベントは、『火事と喧嘩は江戸の華』ならぬ『事故と喧嘩はマカオGPの華』と呼ぶに相応しいほどに刺激的である。
『天下泰平』の江戸時代にあって、木造住宅が集中していた江戸(東京)は僅かな失火が大火に繋がりかねず、そこで活躍する火消しの一挙手一投足が注目を浴びた。また、短気な江戸っ子の街中でのいさかいも、普段は平穏な暮らしを営む庶民にとっては非日常のイベントであった。
一方のマカオは、16世紀にポルトガル人が貿易拠点として居留し始めてから、明や清と微妙な距離感を測りながら本土とは異なる『天下泰平』の時期をたどり、独自の文化や慣習を作り上げてきた。1999年12月に中華人民共和国へ返還されると、徐々に中国共産党の影がちらつくようになったとはいえ、今もメインランド(本土)よりは自由闊達な雰囲気を醸し出している。
