序盤はルーキーのマテウス・レイストのトラブルなどイエローコーションも出たが、琢磨に災いが降りかかったのは30周を過ぎた頃のリスタートだった。
琢磨はレコードラインで1コーナーに入ろうとしたが、後方から来たスコット・ディクソンが琢磨に追突! 琢磨はそのままスピンして右リヤをパンク。エンジンが止まらなかったのは幸いだったが、そのままピットでタイヤ交換に。ディクソンにはピットスルーのペナルティが与えられた。
残りも70周近くもあったが、ほぼ最後尾から追い上げを開始した琢磨。しかしブラックタイヤでのペースは思うように上がらず、16、17番手でこう着してしまう。
終盤にインディカーらしいイエローが多発するが、琢磨は期に乗じて12番手までポジションを上げたものの、そこでチェッカーとなった。

「ディクソンに当てられてしまったけど、どうしようもないですよね。彼にペナルティはあったみたいだけど、彼は6位でフィニッシュしてますから。どうしてなんだろ(苦笑)。グラハム(レイホール)も2位でしょ? 本当にどうなってるんでしょうね(笑)」
「ブラックタイヤでもハンドリングは良くなかったし、クラッシュのダメージでフロアやガーニーもダメージを受けていたかもしれません。路面のタイヤかすがひどくてストレートでもラインを外して走れないほどでした。ダウンフォースが少なくなったクルマだと、オーバーテイクは難しいですね」
「でもチームとしては2台とも完走しましたし、次に繋げられる結果だったと思います。フェニックスはテストも良かったですから、楽しみにしたいですね」
困難が降りかかる週末だったが、しぶとく完走して見せた琢磨。何があっても最後まであきらめない気持ちをアピールした琢磨の3.11のレースだった。
