海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.03.14 20:38
更新日: 2018.03.14 20:39

新エアロ導入で競争激化のインディカー。開幕戦ゴール目前のクラッシュはなぜ起きたのか


海外レース他 | 新エアロ導入で競争激化のインディカー。開幕戦ゴール目前のクラッシュはなぜ起きたのか

 デビュー戦ウインを逃したウィケンスは、「残念な結末だ。最後のリスタートでインディカーは何をしたかったのか? それがわからない。ペースカーはライトを消さずに走っていた。その前までとまったく違った手順でのリスタートになっていた」

「レースリーダーとして、僕にはペースをコントロールする機会が与えられるべきだが、あのラップはずっとペースカーのすぐ後ろを走っていた。それが急にピットロードに向かった。インディカーにはちゃんとした説明をして欲しい」

 ターン13とターン14の間でウィケンス、加減速を繰り返してロッシを振り切ろうとトライしていたように見えていた。ラップの大半でペースカーがライトを点けていたのは事実。リスタートが必ず切られるとチームから無線で聞かされても、心も含めた全部の準備を整え切るには時間が足りなかったのだろう。だからP2Pの操作も遅れた。

 インディカーの見解は、「リスタートの指示は明確に伝えたし、準備に費やす時間も十分にあった」というものだ。

「スタートの手順については完全に理解をしていた。レース中のチームからの指示も完璧だった。P2Pを使っていいことも即座に知らされていた。僕が理解できないのは、ペースカーのライトが消えなかったところ。それで僕は後続の動きをコントロールさせてもらえなかった。とても不利な状況に陥れられてしまった感じだった」

「ロッシがインに行ったので自分はアウトから行くことにしたが、ブレーキングはギリギリまで遅らせた。スペースは十分に与えていた。こっちの視点から言えば、彼はブレーキングを遅らせ過ぎた」

「ラインを外れたらタイヤかすでコースはひどく汚れている。そういう状態なのはずっと変わらなかった。彼はコーナーの奥まで突っ込み過ぎ、リヤをロックさせ、滑って僕に突っ込んできた。それ以外に説明のしようはないはずだ」

「残念なのは、相手はゴールして表彰台に上り、こっちは壁にぶつかってレース終了となったところだ。ガッカリしている。ルーキーとしての開幕戦だったから。だからこそ僕はそこまでハードにはレースをしていなかった」

久々のシングルシーターのレースでも安定した速さを見せたウィケンス

「ロッシにはインサイドに十分以上のスペースを与えた。僕は2位フィニッシュとなったっておおいにハッピーだったからね。いい1日になっていたのに。週末全体が素晴らしかった。サプライズのPPは僕自身にとっても驚きだった。この走りが110ラップでも可能か? と自分自身考えたよ。それが可能だとレースでは証明した」

「ゾーンに入れていたんだと思う。ペースをコントロールして、差をつけたい時につけることができ、燃費の数字もバッチリで、それでも後続を突き放すことができていた。あの109周目までは何もかもが順調だった」

 ウィケンスの主張に分があるように思えるのは、彼がとても不幸な目に遭ったからだ。いずれにせよインディカーのレースコントロールがドタバタしたことでルーキーに混乱を与えてしまったようだ。

 リスタートはもう1周後にすべきだった。ファイナルラップ一発勝負が嫌だった? 放送時間終了が迫っていた? 本当の理由は何だったのだろう。

 P2P使用許可の意図は、おそらくオーバーテイク増を期待してのことだったろうが、リスタート前の半周切ってからの告知は遅過ぎだ。その前の時点までのレースはもう十分エキサイティングなものになっていたのに……。

 新エアロ導入を成功させたインディカーには、即座にレース自体の運営強化、安定に尽力して欲しい。ウィケンスのような不運に遭うドライバーがこれ以上生まれないように。


関連のニュース