そのまま12周のレースはチェッカーとなり、アーチャーがWTCR史上最年少ウイナーとなり、2位にチームメイトのグエリエリが続きミュニッヒのFK8シビックが見事なワン・ツー・フィニッシュ。

 3位表彰台にミケリスが続き、4位にミューラー、そして5位にはスタートでの素晴らしいジャンプアップからタルキーニ、ダニエル・ナジー(ヒュンダイi30 N TCR)をかわしたハフのゴルフGTIが入った。

 明けた日曜の午後から開催されたレース2は、午前の予選でトップタイムを記録したワイルドカード枠参戦のM1RA、アッティラ・タッシ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がトラックリミット違反でタイム抹消の憂き目に合うなか、ハフが見事に今季初ポールを獲得。

 レースでもホールショットを決めると、盤石のマネジメントでポール・トゥ・ウイン。2012年のWTCC王者が早くもWTCR自身初勝利を飾って見せた。

 続く2位にはフロントロウから終始ハフに食らいついた地元ワイルドカード枠のナジーが入り、最後の3位表彰台には5番手スタートからジャンプアップを決めたミューラーが続いている。

 そして最終ラウンドとなるレース3では、午前の予選で週末2度目のポールポジションを獲得したミケリスが、フロントロウのチームメイト、タルキーニとの壮絶なマッチレースを展開。

 セーフティカーや降雨による赤旗中断を経た荒れた展開のなか、最後は鼻先のコンマ3秒差でフィニッシュラインに先行したタルキーニが逆転で今季3勝目をマーク。2位ミケリス、3位ミューラーと続くリザルトとなった。

 これでタルキーニは6戦3勝でポイントリーダーの座を堅守。ランキング2位には36ポイント差で、オープニングレース勝利を飾ったアーチャーが浮上している。

「(ランク3位につける)叔父の5ポイント前だから、悪くないポジションだ」と、笑顔で週末を振り返ったアーチャー。

「この週末は本当に重要だった。開幕モロッコのペースは悪くなく、だからこそそれがフロックでないことを証明しなくてはならなかった。レース1で勝てて、その疑念を晴らせたのが最高だった」

 アーチャーは週末のファステストラップに贈られるトロフィーも獲得。FK8型シビック・タイプRのレースペースの力強さを示してみせた。次戦第3戦は5月11~13日、ドイツにある世界的コース、ニュルブルクリンクを舞台に開催される。

ワイルドカード枠参戦の地元ドライバー、アッティラ・タッシは予選Q2で最速を記録しながらまさかのタイム抹消に
転がり込んだポールから盤石のレースを見せたロブ・ハフが、SLRに初勝利を献上
こちらも地元チームからワイルドカード参戦のダニエル・ナジーは、週末を通じて見事な走りを見せ、レース2で2位表彰台を獲得した
BRCレーシングのヒュンダイi30 N TCRの僚友対決となったレース3は56歳の老兵、ガブリエル・タルキーニに軍配
予選で2度のポールを獲得しながら、WTCR母国勝利を逃したノルベルト・ミケリスは「言葉もないよ……」と肩を落とす

本日のレースクイーン

新谷桐子しんたにとうこ
2025年 / スーパー耐久
apr Victoria
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円