その前方では、コースオフしたケインの僚友マイク・ブッシェル(フォルクスワーゲンCC)、セナ・プロクター(ボクスホール・アストラBTCC)がサイド・バイ・サイドのつばぜり合いを展開。しかし両車は最終コーナーでワイドになりグラベルに突入する場外乱闘となり、これでイングラムが労せずして3位表彰台を確保。20以上ポジションを上げて価値ある表彰台を確保した。

「自分でもクレイジー、いや“気が狂っている”と思うほどの追い上げだったね」と望外の3位表彰台に満足げなイングラム。

「この走りをやり続けられるかと言われれば自信はないけど、父が僕のカートにウエットタイヤを履かせてくれた頃のことを思い出すくらい、こうしたトリッキーなコンディションは昔から大好きなんだ」

 一方、モーガンからの追撃を完璧に封じたスバル・レヴォーグGTの王者サットンも、難コンディションでのタイヤチョイスが奏功したと振り返った。

「路面が濡れたままのグリッド上で、僕らはスリックタイヤを履く決断をした。それが正解だったね。(タイトルを獲った)昨年のこの時期とほぼ同じポイントまで来たけれど、このまま集中していいリザルトを重ねていきたいね」

 その難しいコンディションは最終のレース3でも続き、トップ10リバースグリッドのポールシッターとなったチルトンらは、ダンプコンディションのオープニングラップで次々とスライドし、コントロールを失いコースオフ。その混乱に乗じて首位に浮上したのは、5番グリッドからスタートしたBTCノーリンのスマイリー。

 その後、SCランなどを挟み後続からの激しいプッシングを受けたスマイリーだが、ダンロップのハードタイヤをチョイスしたTOCA共通エンジン搭載のホンダ・シビック・タイプRは、そのまま16ラップを逃げ切り見事にトップチェッカー。スマイリーにとって初となるイギリス・ツーリングカー選手権勝利となった。

 2位にはWSRのターキントンが入り、5位に終わったイングラムを再度逆転して選手権リーダーの座にカムバック。シーズンはいよいよ残り3戦、続く第8戦は8月25~26日にノックヒルを舞台に争われる。

R3はリバースグリッド上位勢がインフィールド区間で軒並みコースオフする荒れたオープニングラップに
R1で3位表彰台のトム・チルトンは、R3リバースポールの好機を活かせず未勝利が続く
R1で4位、R2で7位と来たBTCノーリンのクリス・スマイリーがR3でついに初勝利を記録
今季からマシンをFK2ホンダ・シビック・タイプRにスイッチしたチームにとっても、うれしい初勝利となった

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