ディ・グラッシによると、現在ロボレースでは「6~7台」の新車を製造中であるものの、無人の完全自律によるサイド・バイ・サイドのレースを実現できる人工知能フォーマットの完成には、今しばらくの時間を要するという。

 そのため、まず最初の“アルファ”と“ベータ”の2シーズンではドライバーのレースクラフトを学習させ、2021年には「完全なロボカー」によるレースフォーマットに切り替えることを決め、その際に初めて、2017年に発表した運転席を持たない完全自律型のユニークなマシンが登場することになる。

 さらにディ・グラッシによれば、この無人レースカーでも「人間による操縦の余地」は残されるとし、登場するクルマは「2017年発表のロボカーと、今回のDevBot 2.0を融合させたような姿」になる可能性も示唆。

 最終進化形となる2021年モデルには4輪すべてにモーターを配し、完全なトルクベクタリング制御を実現すると同時に総合1000kW(1341PS)以上の出力を誇るレースカーになるという。

 またロボレースがハードウェアの供給とシリーズのロジスティクスをメインに担当することによりコストを抑え、競技に参加する主体となるチームは、ソフトウェアを中心とした技術開発に集中できる環境を整え、技術革新をより促すことを目指している。

 これにより、マニュファクチャラーやベンチャーのみならず、大学の研究チームや個人のエンジニアがレーシングアルゴリズム開発に参加し、集中的な進化を目指す枠組みが実現するはずだとディ・グラッシ。

 最初の2シーズンにはすでに2チームが参加申請を行っていることも明かされ、初年度のカレンダーは2018年中にもアナウンスするとしている。

度々デモンストレーションを披露してきたRoborace(ロボレース)だが、クラッシュを喫するなど課題も残されていた
電動モーターや自律運転のコンポーネントをLMP3シャシーに組み込んだミュールカーでテストを重ねてきた

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