VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーに電撃参戦以降、ケリー・レーシングのニッサン・アルティマをドライブしてきたシモーナ・デ・シルベストロが、ニッサンからフォードへのスイッチに伴い4台体制から2台へ縮小するチームの方針にも影響を受ける形で、2020年のシリーズフル参戦を断念する意向を表明した。
スイス出身の女性トップドライバーとして活躍を演じてきたシモーナは、F1の開発ドライバーを筆頭に北米のインディカー、フルEVシリーズのABBフォーミュラE選手権など、シングルシーターでのキャリアを積み重ねたのち、2017年から豪州大陸に渡り本格的ツーリングカーの流儀を学ぶ3年間を過ごしてきた。
しかし2020年を前に、ふたたびフォーミュラEで女性初のポルシェ契約ドライバーとしての役割を果たすことを決断したシモーナは、VASCシリーズ第13戦サンダウン500の週末を前に、この愛着あるツーリングカー選手権に留まる意欲があるにも関わらず、シリーズから去る可能性が高いことを示唆した。
「私は来季フルシーズンエントリーで、このシリーズのグリッドに着くことはないと思う」と、現地パドックでFOXスポーツのTV取材に応えたシルベストロ。
「まだオーストラリア大陸に留まることのできる可能性すべてに、チェックボックスを入れていない状況のように感じて少し残念なのだけど、タグ・ ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームとの契約は、私にとって本当に大きな出来事だった」
「彼らの近くにいたことは事実だけど、こうして機会が巡ってくるとは思いもしなかった。このチャンスで、私が常に思い描いてきた夢を実現し、チャンピオンシップやレースで勝てる環境を手にすることができるのでは、と考えたの」