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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.08.24 14:41

第104回インディ500詳報:無観客を忘れさせるスペクタルなバトル。勝負所を制した琢磨が2度目の栄冠

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海外レース他 | 第104回インディ500詳報:無観客を忘れさせるスペクタルなバトル。勝負所を制した琢磨が2度目の栄冠

「考えていた通りの戦いができました。夕方はコースの一部は日陰になる。それらのコンディションを考えてセッティングを施し、レース終盤の自分たちはいちばん速い存在になれていたと思います」と琢磨はレースを振り返った。

 2位に敗れたディクソンは、「この負けは受け入れ難い。かなり長いこと悔やむことになる。琢磨は見事なレースを戦った。最大限のおめでとうを言いたい」とコメント。

「彼の燃料は、あと5周あったら最後まで持ったのか?」と首を傾げてもいた。

「自分たちの方が1周遅くピット。彼らはゴールまで燃料を持たせるだけでも大変な状況だったはずだ。しかし、彼らはフルパワーで戦っていた」とディクソン。

 琢磨は燃費について、「短いストレートでミクスチャーを薄くするなど徹底的にセーブし、最後にフルパワーでの勝負になったとしても戦い抜けるだけの燃料をセーブすることに成功していました」と余裕を見せた。

「今日のレースはオーバーテイクが難しかった。だから、前に出れば勝てると思いました。一度目に前に出た時、ディクソンは燃費セーブで抜き返しに来ませんでしたが、二度目に僕がトップに出た時には、すぐに抜き返しに来ました。しかし、それをさせませんでした。彼との感覚を見ながら燃費セーブもしてゴールを目指しました」

 観客席にファンがいないことを忘れさせるほど、ふたりのバトルは激しく、スリリングだった。

 2017年に初優勝し、2018年に3位フィニッシュしている琢磨は、今年は2勝目。4年間で3回のトップ3入りが証明する通り、現在のインディカー・シリーズで、最もインディ500に強いのが琢磨だ。

「2012年には最終ラップでクラッシュした。あの時から8年後、ボビー・レイホール、デイビッド・レターマン、マイク・ラニガンのオーナー3人にインディでの勝利をもたらすことができた。彼らと一緒にレンガにキスができて、最高です」とも琢磨は話した。

チームの共同オーナーたちと勝利を喜ぶ佐藤琢磨
チームの共同オーナーたちと勝利を喜ぶ佐藤琢磨

 3位はレイホール。今年のレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはトップ3に2台が入った。

 そして4位はサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー・サリバン)。ホンダが1-2-3-4フィニッシュ。

シボレー最上位の5位は予選13番手だったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。6位はルーキー最上位フィニッシュのパトリシオ・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)だった。

 ポールシッターのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ・アンドレッティ・アンド・カーブ・アガジェニアン)は、スタート直後のターン1でディクソンにトップを奪われ、結局1ラップもリードできず、13位でゴールした。

 アンドレッティ勢は提携チームを含め7台がエントリーし、マルコのPPを含め4人がファスト9を戦ったように、予選まででは最強チームだった。

 しかし、レースで優勝を争ったのはロッシだけだった。ザック・ビーチとコルトン・ハータがリードラップを記録したが、それらはピットタイミングを違える作戦や、トラフィックの中を走り続けたことで燃費をセーブできたためだ。

 エアロスクリーンを装着したマシンでの初インディ500では、7回と多くのアクシデントがあった。タービュランスでのマシンのハンドリングがそれだけシビアだったということだ。

ブリックヤードに勝利のキスを行う佐藤琢磨
ブリックヤードに勝利のキスを行う佐藤琢磨


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