当然ながらTCR規定に準拠し、前輪駆動を採用する『ヒュンダイ・エラントラ N TCR』は、ベースモデルのファミリーから採用された新しい2L直列4気筒直噴ターボを搭載。ギヤボックスは先輩たちと同じく6速のパドルシフトを備える。
スパイショットもリークされた6月のシェイクダウン以降、欧州各地で実施されたエラントラ N TCRのテストは順調に進捗しており、その大半でステアリングを握ったのは、i30 N TCRの開発ドライバーも務めたガブリエル・タルキーニだ。
「私はこのクルマのテストですでに多くのラップを重ねており、スプリント・バージョンとエンデュランス・バージョンの両方を走らせ、その仕様と方向性を見定めるプログラムを進めてきた」と語ったタルキーニ。
「ヒュンダイ・モータースポーツ・カスタマーレーシング部門が、ここまでに積み重ねてきたノウハウを存分に盛り込み、その経験がすぐさま反映されたことで素晴らしい感触で走り出せた。新型モデルといえど、その開発は最初から順調そのものだよ」
「以前のクルマに対しては、ステアリングシステムのわずかな改善などカスタマーやドライバーたちが歓迎する小さな変更が数多く採用されている。新型エラントラ N TCRはその見た目ではるかに大きく感じるかもしれないが、ステアリングを握ればその違いにほとんど気づくことはないほど高い運動性能を誇る」
「テストはまだ初期段階だし、ここからシャシー性能をさらに磨き上げ、カスタマーが素晴らしいレースを展開できる強力なパッケージを構築するべく、有効に時間を使っていきたいと思っている」
数々のシリーズタイトルを獲得したi30 N TCRとヴェロスターN TCRの系譜を継ぐこの新型モデルは、今後も数カ月間にわたってテストが継続され、2020年末にも最初のシャシーがトップカスタマーに納品されるスケジュールとなっている。

