そして複合のターン9でインサイドラインを選択したコロネルは、クロスラインを意識したヤングの反撃を抑え込み首位浮上に成功。そのまま13周を走破してトップチェッカーをくぐり、隅々まで知り尽くしたサーキットで今季初勝利を手にした。
「ホームのファンのためにも大量スコアを獲得したい重要なレースだと思っていたし、もちろんこのトラックのことは細部まですべて承知している」と、レース後に語ったコロネル。
「ここでは毎週のようにドライブしているし、月曜にも2時間レースを戦う予定でいるんだ。ベアトとの一件は、彼が僕を認識してどこにいるかを把握していると思ったので、本当に残念だった」と続けたコロネル。
「その後、ボルコビッチの前に出てホンダを追ったが、彼が複合セクションで苦しんでいるのが理解できた。僕もこれまで数多くホンダをドライブしてきたし、最高速トラップを見ても『ストレートエンドでシビックを抜くのは不可能』だと感じていた。ワンチャンスに“叩き込む”ことができて良かったし、彼はとてもスマートだったよ」
続いて日曜午後13時過ぎにスタートしたレース2は、リバースグリッドの4番手から発進したジロラミがダッシュを決め、逆ポールのセバスチャン・ローブ・レーシング(SLR)サミ・タウフィク(ヒュンダイ・エラントラN TCR)や、同じくフロントロウのニールス・ラングフェルド(ヒュンダイ・エラントラN TCR)らを立て続けにかわして、2周目で早くも首位浮上に成功する。
直後にセーフティカーが導入されたものの、リスタートでも後続の挑戦を退けたジロラミは、開幕戦の自己最上位3位表彰台を更新する勝利を飾り、2位にラングフェルド、3位にイシドロ・カジェハス(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/ブルータル・フィッシュ・レーシング)が続くポディウムとなった。
これで、ランキング首位のアズコナを逆転したジロラミが154点で自身初のシリーズ首位に立ち、同3位にコロネルが続くオーダーとなったTCRヨーロッパ・シリーズ。続く第4戦は、7月30~31日にベルギーのスパ・フランコルシャンで争われる。