インディカー・シリーズとしては、アリゾナ州のフェニックス・インターナショナル・レースウェイでのイベント開催は2005年以来となる。砂漠の中のオーバルコースで1964年に開催された最初のレースで勝ったAJ.フォイトのチームで走る佐藤琢磨にとっては、フェニックスでのレースは今週末が初めてだった。

 2月に2日間のテストが行われたため、レースは2デイイベントとしての開催で、予選の前にプラクティスは1度しかスケジュールされていなかった。そのプラクティスが始まって間もなく、琢磨はターン1でスピンし、リヤから激しくセイファーウォールに突っ込んだ。何の前触れもなくスナップオーバーステアが出たためだった。

 幸いにも負傷は打撲だけで済んだ琢磨は、メディカルチェックを受けると走行再開の許可がおりた。

「体は大丈夫ですが、物凄い衝撃でした。少しの頭痛もありますが、また走れると思います」と彼自身語っていたが、マシンの修理が間に合わず、予選に出走できなかった。さらに、クルーたちの奮闘空しく、予選日の夕方に行なわれたファイナルプラクティスさえも琢磨は走ることができなかった。

 同じプラクティスで琢磨のすぐ後にクラッシュしたジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は、ファイナルプラクティス開始後にマシンの修理を完成させ、30分間のセッションの終盤に走ることができた。予選でアクシデントを起こした(琢磨とヒンチクリフとまったく同じパターンでのアクシデントだった)カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)も、マシンを直してファイナルプラクティスをフルに走り切っていた。AJフォイト・レーシングだけがマシンを間に合わせることができず、琢磨だけがレースウイークエンドにトラフィックでの走行経験ナシのまま決勝を迎えることとなった。

 プラクティスでのアクシデントは予選シミュレーションで発生した。琢磨は1ラップも決勝用セッティングでの走りを行っていなかったということだ。アクシデントではギヤボックスだけでなく、エンジンにもダメージがあったため、チームはそれらを全面的に交換した。こんな状態でいきなりレースのスタートを迎えるのでは、あまりにも危険過ぎる。レースは250周という長さでもある。そこでAJフォイト・レーシングは、インディカーに短時間でも走る時間が必要だと訴え、レース前4時間ほどのタイミングで5分間だけ走ってよいとの許可を取りつけた。

 ここでマシンのシステムチェックと、レース用セッティングを施したマシンでの14周が行なわれ、琢磨は最終的にフラットアウトで1周を走行でき、何とかレースを走れるだけの条件を整えた。ドライバーとしての自信もほぼ取り戻すことに成功し、レースに臨むこととなったのだった。

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