そして迎えた終盤83周目。スーパーソフトもマネジメントし余力を残していたSVGは、タイヤのグリップを開放して首位デイビソンをオーバーテイク。5秒のマージンを築いて完勝を飾り、2位デイビソンの背後では、レース終了間際にFP2首位など好調を維持したアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)を仕留め、ウォーターズがポディウムに滑り込んだ。
明けた日曜はデイビソンが暫定ポールを得たものの、グリッド降格ペナルティでシュートアウトを制したウォーターズが首位発進。しかしスタートでリードを奪ったのはシェルVパワー・フォード・マスタングの僚友パスカーレで、モンスターエナジー・フォードの前でターン1へと入っていく。
しかしその背後では当のデイビソンとスコット・パイ(チーム18/ホールデン・コモドアZB)が接触。このアクシデントで早々にセーフティカー出動がコールされる。リスタート後もパスカーレが終始隊列を率いる展開となったが、最初のピットが終わる頃にはSVGが主導権を奪い返し、終盤に向け2秒のマージンを築く。
だが2番手パスカーレも喰い下がり、ファイナルラップに向けジリジリと距離を詰めると、各コーナーごとにレイトブレーキングでプレッシャーを掛けていく。そして最終左コーナーでインサイドに飛び込んだフォードは、ホールデンのリヤにヒット。ホームストレートを前にチャンピオンは成す術なくスピンを喫してしまう。
先にフィニッシュラインへと近づいていたパスカーレはスローダウンしてライバルを待ち、復帰したSVGも抗議の意思を示すかのようにマスタングのリヤに追随したままチェッカー。しかしスチュワードは即座にペナルティを宣告し、パスカーレは5秒加算で2位降格。改めてSVGが勝利を手にする結果となった。
「僕らの規則やシステムが、挑戦を思いとどまらせるべきではないとは思うよ。でも、今回(のペナルティ)は正しいコールだと思う。僕は彼に腹を立てているし、みんなと一緒にお祝いしたかっただけなんだ。彼にお祝いを言いに行ったが、そこで同時に『一体、何を考えてたんだ?』と聞いたよ」と、皮肉混じりに答えたSVG。
「今後もチャンピオンシップのリードに甘んじることはない。僕らは(10月の)バサーストを獲る必要がある。そこまではただ“フラットアウト”で行くつもりだ」
この連勝で今季11勝となったSVGは、パスカーレに対し274点差、ウォーターズに330点差をつけることに成功。続くRSC第8戦は、7月29~31日に“ザ・ベンド”ことベンド・モータースポーツパークで、引き続きスーパースプリント戦が争われる。


