スーパーGT最終戦ツインリンクもてぎを間近に控えた28日、ROCKSTAR童夢NSXの道上龍、小暮卓史のふたりがオートスポーツweb編集部を訪問、NSX-GTにとって最後のレースになるもてぎ戦に向けた意気込みを語った。
23日にホンダから発表されたとおり、1994年にル・マン24時間への参戦を皮切りにスタート、97年から当時のJGTC(全日本GT選手権)に本格参戦を開始した『NSX-GTプロジェクト』も今回のもてぎ戦がラストレース。すでにツインリンクもてぎの『Hondaファンシート』が完売するなど、ホンダファンにとっても関心の高いレースとなっている。
そんなNSX-GTを98年からドライブ、以降11年に渡ってNSXをドライブし、2000年にはNSXにとって初のドライバーズタイトルを獲得、開発ドライバーを担ってきた道上龍は、05年以降コンビを組む小暮卓史とともにROCKSTAR童夢NSXを駆って最終戦に臨むことになる。
「これまで長い間このマシンでレースをしてきて、すごく良いときも悪いときもありました。開発ドライバーとしてみんなに『いいね』と言われた時にはすごく嬉しかったです。いろいろ思い出もありますね」と道上はNSXラストレースを前に語る。小暮も寂しさがあるのは同様で、スーパーGTではずっとNSXをドライブしてきたこともあり「こうして終わってしまうのは少し残念ではあります」と言う。
ふたりにとって、これまでドライブしてきたNSX-GTの中で印象に残るのは、道上は1998年のCastrol無限NSX、小暮は2006年〜07年のTAKATA童夢NSXだと言う。「98年のクルマは二段ウイングだったりいろいろウイングが付いていて、リヤの安定感があった。ちょっとアンダーステアっぽかったんですが、フロントを入れれば良かったですからね。ポールも3回獲りましたし」と道上。小暮によれば、ダウンフォースレベルが過去最も高かった07年のNSXは「気持ちよかったっす(笑)。コーナーがメチャクチャ速いんですよ」と忘れられないようだ。
今季は残念ながら最終戦を前にタイトルの権利こそ消滅してしまったが、最終戦は「もちろん勝ちに行きたい」とふたりは口を揃える。「やっぱり18号車(ROCKSTAR童夢NSX)が勝ってないシーズンはダメだと思うので(笑)。NSXにとってもてぎはホームですし、これまでも去年以外はずっと勝ってきているコースですからね。得意なコースで相性もいいので、チャンピオン争いもありますが、優勝して終わりたい」と道上。
「僕も長年乗ってきて思い入れもありますし、ホンダのフラッグシップのマシンで戦ってきたのが今回で最後ということで残念ではありますが、ホンダファンの皆さんも同じ気持ちだと思います。18号車とともに他の4台のNSXもいい結果を残したいだろうと思ってます。その中でも自分たちが最後にひとつリードして勝てれば感動的なクライマックスになると思うし(笑)、勝てれば自分としてもいちばんの思い出になると思います」と道上は最後のNSXでのレースを勝利で締めくくるべく、笑顔で意気込みを語った。
一方の小暮も、「ここで結果を残せなかったら二度とNSXでリベンジできなくなってしまいますからね。ドライバーも思い入れが強いし、スタッフもいつも以上に力入れてやってくれると思います。みんなの期待に応えたいですからね。勝ちます!」と必勝宣言。タイトル争いに目がいきがちな最終戦だが、ROCKSTAR童夢NSXをはじめNSX勢5台がレースを大いに盛り上げてくれそうだ。