ARTA Project プレスリリース
SUPER GT シリーズ第3戦富士
決勝
ARTA NSX、3位表彰台を獲得
そしてARTA Garaiyaは今季初優勝を達成!
■GT500
決勝日を迎えた富士スピードウェイ。この日も天候は晴れ、路面コンディションはドライである。朝8時45分からのフリー走行、ラルフ・ファーマン&伊沢拓也のARTA NSXは1分36秒464のタイムで2番手と、予選3位を獲得した前日の好調をキープしたまま、決勝日も順調な滑り出しとなった。 SUPER GTの決勝レースは300kmで争われることが多いが、今回の富士は400kmの長丁場(88周)。さらに2回のピットインが義務づけられるので、通常のレースとは戦略も異なってくる。ARTA NSXはファーマン→伊沢→ファーマンのオーダーで決勝に臨む。
スタート直後、GT500の上位は激しい接近戦となった。1周目のヘアピンに向かう時点で、トップの#1 GT-Rの後方に#12 GT-Rとファーマンが並んで迫る展開に。ところが、ここで#1の直後につけた#12が姿勢を乱してしまい、その外からコーナリングに入ろうとしていたファーマンにヒットするアクシデントが発生。これはARTA NSXにとって、まったくの不運な事故であった。
ファーマンはクラス14番手まで転落してしまうが、幸いにしてマシンに大きなダメージはなく、ここから追い上げにかかる。トップを上まわるほどの素晴らしいペースで快走し、10周目には11位、13周目には9位、そして16周目には7位まで浮上。20周目から各車の1回目のピットインが始まるが、ファーマンは好ペースのまま走行を続け、他車がピットインする間に暫定首位にまで順位を上げる。
30周終了でピットインして、伊沢へとバトンタッチ。各車が1回目のピットを終えた段階での順位は6位だ。伊沢もトップより速いくらいのラップタイムで走行し、先行車に迫ってゆく。やがて#24 GT-R、#6 SC430、#35 SC430と3位集団を形成するようになり、バトルのなかで45周目には#35をパス、5位に浮上した。さらに4番手の#6を攻めるが、抜くには至らないまま、60周終了で2度目のピットストップへ。#6は62周目にピットインするが、このタイミングでARTANSXは4位奪取に成功。さらにファーマンは3位の#24に狙いを定める。そして68~69周目にかけての横並びの攻防戦を制して、ついに3位の座を手中に収めた。
優勝の可能性さえあっただけに、1周目の不運が惜しまれるが、ARTA NSXは開幕戦以来、今季2度目の3位表彰台を獲得。ドライバーズポイントを22に伸ばして、トップとは9ポイント差のランキング4位に浮上した。
●鈴木亜久里監督のコメント
「レースだから、1周目のアクシデントは仕方ない。優勝できるくらいのパフォーマンスがマシンにあっただけに、もったいなかったね。しかし、そのあとの追い上げは僕自身も非常に面白く感じたし、お客さんにも喜んでもらえたのではないかな。ドライバーもチームスタッフも、本当によくやってくれた。じわじわとウエイトハンデが重くはなるが、この調子で次のセパンも頑張りますよ」
●佐藤真治エンジニアのコメント
「両ドライバーともに『バランスがよかった』と言ってくれていますので、マシンの仕上がりは満足できるレベルだったと思います。1周目は不運でしたが、あそこでリタイアせずに3位表彰台を得られたわけですから、結果については『よし』としましょう。チャンピオンを争える可能性もあると思いますので、これからさらに頑張っていきます」
●ラルフ・ファーマン選手のコメント
「マシンはとても速かった。我々のラップタイムペースを考えれば、十分に優勝できたはずだ。だから、ちょっとガッカリしてはいる。ただ、1周目のアクシデント以降はとてもハッピーなレースだったよ。マシンにダメージがなかったこともよかった。チャンピオンシップの状況もよくなってきた。次のセパンでもまた表彰台を獲得できるよう、チャレンジしていきたいと思う」
●伊沢拓也選手のコメント
「あの状況からここまで追い上げることができたので、よかったと思います。僕自身もミスなくレースを終えることができましたからね。ただ、なかなか#6を抜けなかったので、そのあたりはもっと勉強しないといけないところですね。これでウエイトハンデが増えますけど(次戦は44kg)、去年も重い状態でいい結果を残せたレースがあるので、きっと克服できると思います」
■GT300
昨日、今季初のポールポジション獲得に成功したARTA Garaiya(新田守男&高木真一)。決勝日の朝のフリー走行では1分44秒525のタイムで3番手と、今季初優勝に向けて好調な出足だ。
決勝のスタートドライバーは高木。1コーナー進入ではなんとか首位を守るが、並んできた#81フェラーリF430にコカ・コーラコーナーまでの下りで先行され、その後は直線スピードに勝る#81攻略に集中していくこととなる。そして15周目、コース後半のダンロップコーナーで#81をかわした高木は、メインストレートでの反撃もしのぎ切ってトップの座を固める。あとは圧倒的なペースで#81を引き離すだけだった。高木が1回目のピットインまでに5秒のマージンを確保し、33周終了で代わった新田がさらにリードを拡大。45周を過ぎるころには、約15秒差で独走状態となる。
2度目のピットインは62周終了時。その後は高木が#81に対するリードを確実に守って走り切り、ARTA Garaiyaは堂々今季初優勝を達成した。新田は通算17勝目(クラス最多)で、自己の持つ最多勝記録を更新。また、この勝利によって新田&高木はドライバーズランキング首位に浮上している(41点、2位とは4点差)。
●金曽裕人監督のコメント
「やっぱり#81が来ましたね。でも、ウチのレースは完璧でした。ドライバー、タイヤ、スタッフ、すべてがパーフェクトにバチッと決まりました。昨日も言いましたが、今回はARTAの総力とプライドをかけて、この富士で勝利することに挑戦したのです。亜久里さん、圭市さん(土屋エグゼクティブアドバイザー)からも、すごくいいアドバイスをもらいましたしね。本当に完璧な勝利でした」
●新田守男選手のコメント
「昨年のこと(最終戦で惜しくもタイトルを逃がす)があったので、どうしても富士で勝ちたかった。チームは100パーセント、完璧な仕事をしてくれましたね。誰もミスをしなかったし、作戦もよかった。ミシュランタイヤも本当に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。最多勝記録については、とても光栄なことだと感じています。これからも記録を更新していきたいと思います」
●高木真一選手のコメント
「パーフェクトなレースでしたね。土曜からの少ない走行時間のなかで新田さんがいいセットを決めて、いいタイヤも選んでくれました。そのミシュランの素晴らしいソフトタイヤが、優勝するための大きな力になりました。もちろん、この優勝はノーミスで作業をしてくれたチームスタッフのみんなのおかげでもあると思います。本当にうれしい勝利ですね」
