LEXUS TEAM SARD RACE REPORT
DUNLOP SARD SC430 拮抗した争いの中で10位でフィニッシュ

2009 SUPER GT 第3戦「FUJI GT 400km RACE」(5/3〜4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
観客動員:予選28,500名、決勝50,000名 合計78,500名

5月4日(月)ゴールデンウィークの最中、富士スピードウェイにて2009 SUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」の決勝が行われ、12番グリッドからスタートしたDUNLOP SARD SC430は、1スティント目を担当したアンドレが拮抗した争いの中で序盤9位にまでポジションアップ。激しい順位争いを演じたが途中ペースが上がらず予定よりも早めにピットイン。2スティント目、交代した平手は混雑する中でポジションキープで他車とデットヒートを繰り広げながら前走車とのギャップを削った。3スティント目を担当したアンドレは、再び激しい攻防の中からの追い上げを見せ、最終的に総合10位でフィニッシュした。ドライバーポイントでは1点(計2点)を獲得し、チームポイントでは4点(計9点)を加算した。次の第4戦は6月20日(土)・21日(日)に赤道直下の灼熱の国マレーシアのセパンサーキットで開催される。

■公式練習走行
意気軒昂、臨んだ新生・鈴鹿での第2戦は、思い描くレースをすることは叶わずとも総合10位でフィニッシュしたDUNLOP SARD SC430。公式練習走行の走り出しからの速さを得るべく、セッションでの早い仕上げに力を注ぐことが急務。第3戦富士は今シーズン序盤戦の節目とも云え、400kmとレース距離も長い。一方、今回はドライバー交代を含む2回のピットインが義務付けられるなど戦略面でも通常とは違った視点での検討が要求される。テストなどで他のサーキットよりも走り込んでいることからデータは比較的豊富で、昨年の同大会では予選1回目でトップタイムをマークするなどクルマ・タイヤとも相性の良いコースでもある。また両ドライバーとも得意なコースの1つと公言するだけあって期待は高まっている。そして、チームは今回スティントの振り分け、スタートドライバー選択、予選アタックドライバーをどの様に組み立てるか新たな戦略を立てて挑んでいる。

3日(日)午前中の公式練習走行の天候は曇り。気温19度/路面温度26度の中、90分間のセッションが9時15分から始まった。チームは今回、セットアップならびに予選アタックを平手に任している。その他にセッションでの走行の組立についても、これまでとは違う戦略をとっている。まずはセットアップのために平手がコースイン。高速コーナーでオーバー気味とのこと。またブレーキング時の姿勢についてなど持ち込みセットのクルマの評価を行った。その後、リアのスタビリティの調整などを実施。タイヤを別のセットに交換し、1分36秒615の9番手タイムをマークした。続いてサポート役となるアンドレが平手が履いた2種類のタイヤを再評価。ユーズドタイヤながら1分36秒973のタイムをマーク。午前中の公式練習走行は、アウトのインを含めトータル38周の走行となった。

■公式予選
3日(日)13時40分からの公式予選1回目開始時点は、気温21度/路面温度31度の曇りがちな晴れ。思ったよりも路気温が上がらず山地の涼しい陽気となった。最初はアンドレがタイヤの摩耗チェックを兼ねて予選基準タイムクリアのために走行。続いて予選アタックを担当する平手がクルマのセットとタイヤのフィーリングを確認するためにコースイン。全体的にクルマのレベルは向上しているがまだグリップ感が足りないとのこと。履いたタイヤについては決勝でコンスタントなラップタイムで周回可能と平手がコメントした。GT500単独走行までの10分間のインターバルでは、リアグリップを向上させセクター3のタイムアップを狙っての予選用セット調整を施した。

そして、いよいよGT500単独のセッション残り8分を切ったところで平手がコースイン。各セクターで自己ベストをマークしながら走行する平手。3周目にその時点で8番手となる1分35秒974と約0.7秒ほどタイムアップしてみせた。コーナー進入でハンドル切った瞬間のリアの安定が欲しいこととフロントタイヤの発熱が遅かったとコメントした平手。8番手の平手のタイムは残り数十秒でバンプアウトされ、公式予選1回目の結果は総合12位となり、スーパーラップ進出を逃す結果となった。

■決勝
■フリー走行
4日(月)決勝日朝は気温18度/路面温度23度の曇り。風が吹けば爽やかであるが湿度が多めの蒸し暑さえ感じる天候。8時45分からフリー走行が30分間行われた。昨日からは特にリアのトラクションを増す方向で調整し荷重を増やす等のセット修正を行った。最初にアンドレが満タンでユーズドタイヤを装着し1分36秒584の5番手タイムをマーク。その後も36秒台でコンスタントに良いペースで走行。続いて交代した平手も混雑するコース状況で落ち着いて安定した周回を重ねた。ドライバーからのコメントもセクター1、2とハンドリングが安定し、決勝のスタビリティに貢献する大きな改善が見られたとのこと。フリー走行後のサーキットサファリでは主にピットワーク練習を行った。

■決勝スタート
4日(月)午後のスタート時には曇っていた空に青空が見え始め、日差しが照りつけ路温が急上昇。気温24度/路面温度41度の中でスタートが切られた。1スティント目を担当するアンドレは、獲物を追いかけるが如く猛チャージ。同じダンロップタイヤを履く32号車らと接近戦の好バトルを展開した。激しい順位争いの末に9周目には9位にポジションアップ。さらに上位とのギャップを埋めていった。しかし、後方から追い上げてきた8号車にオーバーテイクを許すと、その後は思うようにペースが上がらず順位を落としてしまう。ピットからはあと数周タイヤを持たせて走り切れとの指示が飛ぶ。この頃、他車もタイヤが厳しいのか早めのピットインが始まった。非常に拮抗したレースであるため、ピットワーク勝負の2スティント目の始まりとなった。

ミスのないピットワークで順位を上げる
他車がピットインして前が開けたこの時こそプッシュしてギャップを削りたいアンドレであったが、グリップダウンにより思うようにぺースアップならず12位まで順位を落としていた。27周目予定よりも早めのピットイン。ピット作業では落ち着いた作業で33秒ほどで平手をコースに送り出した。平手のアウトラップの頑張りもあって、順位が落ち着くと10位にポジションアップを果たしていた。2スティント目を担当する平手はピットとの情報交換をしながらターゲットを決めて追い上げを図る。途中ペースの速い38号車に抜かれはしたものの、周りのクルマとデットヒートを繰り広げた結果、後続を見事に押さえ込み、10位のポジションをキープする大事な役目をこなす平手。36周を走って再びバトンをアンドレに託した。

激しい攻防で順位が入れ替わる拮抗した展開
再びステアリングを握った3スティント目を担当するアンドレであったが、後続車がタイヤ交換を2本で済ます戦略を敢行したため、僅かながら先行を許し12位に転落。同じく4輪交換の38号車とともにここからの挽回に懸けた。2台で編隊を組むかのように走行しながら前とのギャップを詰めていき4台ぐらいの9位争いの集団を形成。抜きつ抜かれつの激しい攻防で順位が入れ替わる緊迫した戦いとなった。このデットヒートの後方からはトップを争う2台が急接近。後続がラップダウンされ、どんどんと周回遅れの中に呑み込まれていくが最後まで踏ん張ったアンドレは、結果的に総合10位でフィニッシュを果たした。

決勝ではほんの僅かであったがペースが上がらない場面もあったが、ドライバーの頑張りとピットワークで順位を挽回した。また、新たなタイヤの特性についても大きな収穫を得られ、平手のセットアップからアタックとこれまでと違う流れをトライした第3戦富士。ドライバーポイントでは1点(計2点)を獲得し、チームポイントでは4点(計9点)を加算した。チームは3日後の5月7日(木)・8日(金)に富士スピードウェイでのタイヤメーカー合同テストに参加。そして、約1ケ月半のインターバルを経て6月20日(土)・21日(日)に赤道直下の灼熱の国マレーシアのセパンサーキットで開催される第4戦に向かう。

■アンドレ・クート
「スタート序盤はバトルを楽しめるほど調子が良かったが、スティント終盤はタイヤが厳しくなってしまった。しかし、新たなトライをしていくことでタイヤについても新しいデータが得られ、タイヤに関する自分の理解も深まった。次回セパンでは他車を上回るパフォーマンスができると期待している」

■平手晃平
「アンドレの最初のスティントでタイヤが厳しそうだったので少し硬めのタイヤを履いたけど、スティント中盤ぐらいからオーバーステア傾向でセクター3のペースが上がらなかった。でも順位を何とかキープできたのは良かったのかな。レース後の合同タイヤテストでバッチリと復習して、次のレースに活かしたいです」

■加藤眞総監督
「このレースで得られたデータから、これまでの言わば暗中模索の状態から抜け出しつつあると感じています。しかし、未だ練習走行走り出しは、フリー走行の時の様な良い走りが出来ておらず、セットアップが遅れている感が否めません。決勝の走りは、まずまずであったので予選順位を上げていくことで決勝結果につながると思いますので、そこが最重要点課題です」

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