29日、国内レース界にとって話題となったブノワ・トレルイエ&アンドレ・ロッテラーのアウディワークス入り。彼ら2人は、すでに1月中旬に鈴鹿で行なわれたGTメーカー合同テストにも参加しており、国内GTでの続投は確実と言われている。そんな彼らのアウディ入りについて、彼らの所属チームやこれまで彼らを見守ってきた国内レース関係者は、どのように思っているのか? オートスポーツwebでは、トレルイエ&ロッテラー、それぞれのことをよく知る関係者に緊急インタビューを行った。
脇阪寿一(スーパーGTでのチームメイト)
「彼がアウディと話を進めていることはだいぶ前から知っていましたし、去年のル・マンでの走りを見ていたら、想像もつく話でした。でも、彼のスピードが認められて嬉しかったですね。僕は、もし彼がF1に出たとしても、いいクルマに乗れば優勝できるし、タイトルを獲る可能性もあると思っていますよ。だから、特別な驚きではない。ただ、彼が出ることでスーパーGTのレベルもヨーロッパの人たちに示せると思いますし、いい物差しになりますよね」
「チームメイトはブノワになりますけど、あの2人はそういう話を前からしていたみたいです。僕の中では、彼らにそれぐらいのスピードがあるのは分かっていることですから、それに関しても驚きはありませんでした。ただ、今の彼らは、元々持っていたスピードだけでなく、日本のレースで磨かれた部分もあると思いますね。ブノワで言えば、星野さんや本山さんから吸収した部分も色々あるでしょうし。それに加えて、彼ら自身の努力や、日本のレース環境もあったと思いますしね。だから、僕は彼らがアウディと契約するぐらいのことは、当然だと思うんです。ヨーロッパのメーカーと契約することが凄いという感覚を持つ人が多いみたいですけど、アンドレは今でもトヨタと契約して実際にGTに出ているじゃないですか。ヨーロッパのドライバーがアウディと契約するよりも、僕はヨーロッパのドライバーが日本のメーカーと契約して、日本のGTを走っていることが凄いと思いますし、彼らは向こうのメーカーが着手する前に、すでにトヨタと日産が着手しているドライバー。トヨタにとってもアンドレはなくてはならないドライバーですし、今年彼が乗ったらアウディもそのことがよく分かると思いますよ」
「今回彼らが乗ることは逆輸入みたいな感じになりますけど、彼らはアウディでル・マンを走ろうが、F1に出ようが、日本をおろそかにはしないでしょうし、日本のレースをリスペクトしていると思います。だから、いい意味での伝道師になってもらいたいですし、今後日本のモータースポーツが世界基準になっていくためにも、いい橋渡し役になってもらいたい。アンドレが昨年通りに走れば優勝できると思いますし、それだけの実力はあります。歴代の優勝者の中に名前を刻んで欲しいですね」