フォーミュラEに参戦しているチーム・アグリは、DTMドイツツーリングカー選手権とのバッティングによって2戦を欠場することになりそうなアントニオ・フェリックス・ダ・コスタの代役として、シリーズ参戦経験をもつドライバーを模索している。
過去2年間、フォーミュラEとDTMを戦ってきたダ・コスタは、今年もBMWに残留するとともに、引き続きチーム・アグリからFEに参戦している。そして今年は、5月のFEベルリン戦とDTMレッドブルリンク戦、そして8月のFEモスクワ戦とDTMラウジッツリンク戦がそれぞれバッティングしており、その際の“代役”が必要となる。
チームボスのマーク・プレンストンは、かつてチームからFEに参戦した経験をもつ山本左近やサルバドール・デュランの名前も挙げながら、シリーズ参戦経験のあるドライバーを求めているのだと話す。
「誰か別のドライバーになるかもしれない。左近やサルバドールのようなドライバーの利点は、マシンをドライブしたことがあるということだ」とプレンストン。
「これらのクルマにいきなり誰かを乗せたいとは思わないはずだ。経験のあるドライバーがベストだが、まだ我々もこのことを真剣には考えてはいないんだ」
FEチームは、マシン1台につきふたりまでの交代が各シーズンとも認められている。ただ、シリーズ終盤3戦は一切のドライバー変更が禁止されることとなっており、ベルリン戦とモスクワ戦はそれぞれ第8戦と第9戦となっている。不可抗力の場合はこうした制限を受けずにドライバーを変更することができるが、その決定は選手権のスチュワードに委ねられている。
ただし、仮にベルリン戦の日程が変更となれば、ダ・コスタはバッティングのひとつは回避できる可能性がある。ベルリン市内のテンペルホーフ空港で開催される予定だったこのレースだが、ドイツ政府が難民向けに空港のハンガーを貸し出しており、空港の使用は不可能に。そのため、現在ドイツ内で代替の開催地が模索されている状況だ。