すでにいくつかのメディアでホンダが6月28日にアメリカで行われるパイクスピーク・ヒルクライムに参戦することが報じられているが、この度、その参戦車両が明らかになった。
パイクスピークは、今年で93回目を迎える歴史あるヒルクライム・レース。近年では三菱自動車のi-MiEVやTMGが自社開発したEV P002、横浜ゴムがオリジナルマシンで参戦するなど、さまざまな日本メーカーが参戦して話題となっている。およそ20kmのコースを、標高4300mを越える頂上まで10分前後のタイムで一気に駆け上がるという過酷なレースだ。頂上に近づけば近づくほど空気が薄くなり、内燃機関エンジンでは出力が低下するため、近年では特に開発を目的としたEVレーシングカーでの参戦が主流となっている。
この潮流に沿う形で、ホンダは写真のとおり、CR-Zの外観を用いたパイクス車両で参戦する運びとなった。ただし、参戦するカテゴリーはエキシビジョンクラスになるとのこと。エントリーするマシン名は「Electric SH-AWD with Precision All-Wheel Steer」となっており、CR-Zの文字は含まれていない。
SH-AWDとのことから、ホンダが誇る四輪の自動制御システムが搭載されていることは明らか。Electricの頭文字からもEVマシンであることは間違いなさそうだ。また、写真を見るに大きなリヤウイングが印象的だが、ヒルクライムではやはり、それ相応のダウンフォースが必要なのだろう。
また、バックショットの写真ではテールライト脇に3つのダクトが見えるが、これはパワーユニット関連のクーリング目的であることは間違いないだろう。四輪モーター駆動、それを支えるバッテリー、そしておそらくモーターとバッテリーの新制御技術を投入していることからも、内部の熱量はかなりのものと推察される。
ドライバーは、autosport本誌の報道からも山野哲也がすでに決定している模様。山野はすでにアメリカに渡りテストを行っているとの情報もあり、今月末の本番での結果が楽しみだ。このマシン詳しい情報は、6月5日(金)発売のautosport No.1408にも掲載されている。