ヨーロッパでの活動から頂点を目指すという、小林可夢偉、中嶋一貴といったドライバーたちの先駆者的存在であり、自らもF1、インディライツ、ル・マン24時間などで活躍を演じた野田英樹が、学校長として『NODAレーシングアカデミー』を開校することとなった。
同アカデミーは、これまでのレーシングスクールとは異なり、一般教養を学びながらプロドライバーを目指すことができる点が大きな特徴。学校法人、星槎学園とのパートナーシップにより、中等部、高等部、そして専攻科の3つの課程が用意され、学校に通い卒業資格の取得を目指しながらモータースポーツ漬けの日々を送ることが可能だ。
もちろん、レーシングスクールとしてもカリキュラムは充実しており、隣接するツインリンクもてぎとの協力体制によって走行頻度の高い環境を構築。野田校長を含め、モータースポーツ界の一流講師陣によって英才教育が行なわれる。使用マシンはイタリア製のフォーミュラ・モデナK600。600cc100馬力のエンジンを積んだ小型フォーミュラカーで、カートコースなどでも運用することができるという。なお、ドライビングテクニックのみならず、フィジカル&メンタルトレーニングや食事を含めた栄養学、ビジネスマナーを学ぶマネージメント学や、レーシングドライバーとして必須となるメカニカル&マシンセッティング術等についてもカリキュラムが用意される予定だ。
「海外でテニスやゴルフ等の英才教育を行ないつつ、学校教育を教える施設があります。そういったものを模範としました。走行する際に使う言語は英語のみとし、プロとしてクルマの開発も重要な要素となるので、エンジニアリングの学習やメカニックも自ら体験してもらいます。レーサーになると営業活動も必要となりますから、企業へ出向いてのプレゼンテーションなども行なう予定です」と野田校長。加えて、レース開催時のオフィシャルやボランティアスタッフ体験なども考えているという。
一学年20名程度という少人数制で、スクールには寮も完備。モータースポーツと学業の両立という学生が直面する難問に対して、明確な回答を示そうとしている同アカデミーは、これまでのレーシングスクールとは一線を画す内容であることは間違いなさそうだ。現在、2013年の春期生を募集中だという。