レーシングシミュレーターを使用してドライビングテクニックのトレーニングを行う東京バーチャルサーキット(TVC)で20日、スーパーGT300クラスでグッドスマイル 初音ミク Z4をドライブしている谷口信輝がシミュレーターレッスンを実施。その現場にお邪魔してきたので、谷口“先生”のレッスンぶりを少しだけお届けしよう。

 レーシングシミュレーターを導入した、日本初の“バーチャルサーキット”であるTVC。東京・赤坂にある本店では、“砂子塾長”こと砂子智彦がインストラクターを務めており、世界でもまだ数台しか導入されていない最新レーシングシミュレーターを用いてのトレーニングを受けることができる。

 このTVCには、フォーミュラカーの筐体と、ポルシェ996 GT3のボディを利用した筐体のふたつが用意されている。今回のレッスンでは、ポルシェの筐体を用いたレッスンが行われた。実は、TVCとしても、砂子塾長以外とともにもうひとりをインストラクターに招いてのレッスンを行うのは初の試み。そのインストラクター役として、谷口が招かれた。

 取材を行った時間にレッスンを受けたのは、TVCに2年半近く通い続けている車健太さん。実際のサーキット走行の経験はないというものの、いつかはサーキットでの走行も目指しているという。初心者の方もレッスンを受けに訪れた今回だが、車さんは経験者ということで、すぐにアタックラップに入っての指導が始まった。コースは鈴鹿サーキットだ。

 シミュレーターが設置されている部屋は、ロガーや映像をチェックできるモニターが設けられた別室と窓越しに繋がっている。谷口は、まずは目視で走行をチェック。数周をチェックした後、デグナー1つ目イン側の縁石カットや、130Rでのリズムの取り方など、「実車の乗り方を知っている人から見ると危ない走り方をしている」ということで、一旦走りを止め、ロガーも見ながら車さんにアドバイスをしていく。

 その後、アドバイスをもとに再び走行に入った車さん。その走りを見守る谷口からは「さっきより全然良い」とのお褒めの言葉が。今度は、走行中に直に話しかけることができるマイクも使用し、リアルタイムでアドバイスを送りながらのレッスンが行われた。

 最後は、マシンを降りた車さんの走行をロガーデータも用いながら振り返り、谷口や砂子塾長が気になったポイントや、車さん自身が気になるポイントなどをチェック。約45分間のレッスンは終了となった。谷口によると「最初はやんちゃな走りだったけど、最後はかなりセオリー通りの走りになった」という。

 そんな車さんに今回のレッスンの感想を聞いてみると「谷口さんも砂子さんもトップドライバーなので、基本的なところは大きく違わないと思うのですが、“隠し味”的なところの違いはありましたね。あとは、今回谷口さんに教わって、砂子さんが言いたかったことはこういうことだったんだなと分かる部分もあったので、そういうところも非常に面白かったです」と普段とはまた違った今回のレッスンを振り返った。

 一方、シミュレーターでの指導は初めてだったという谷口。「初めての試みだったけど、お客さんのレベルもばらばらなので、その人に見合ったアドバイスをしようと思っていた」のだという。

「サーキットで教える場合だと、外から見たり車載ビデオを見ることはできるけど、走っているデータをリアルタイムでは見られないよね。でも、ここではそれを見ることができてすごく良いなと思った。データもドライバーの見てる景色も動作も、全て丸裸で見られるからね」

「ただ、(実車で走行する際の)恐怖感がなく、実車とは違う運転を覚えてしまっているケースもあったから、そこはちゃんと指導して、いつか本当にサーキットに行った時に危ない目に遭わないように教えたいとは思いました」

 ちなみに砂子塾長に谷口の指導ぶりを聞くと、「(谷口にとって)初のシミュレーターレッスンだったけど、アドバイスは非常に的を射ていたと思う。伝えたいことも分かりやすいし、みんな満足してるんじゃないかな。語り口も優しいし、笑いも入れてくれるので良かったと思います」と賞賛していた。

 今回取材に伺ったTVC本店は、通常10時~20時まで営業。サーキットや車種などを自由に選べる『通常トレーニングコース』のほかにも、初心者向けの体験トレーニングや、税込2000円で富士での計測5ラップを行えるTVCチャレンジなど、複数のコースが用意されている。赤坂の本店だけでなく、兵庫県・西宮には、TVC大阪店もあるので、西日本在住の方はぜひそちらのご活用を。TVCの詳細は公式サイト(http://tokyovirtualcircuit.jp/)でチェックしてみよう。

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