今月のバーレーンGP開催を見直すべきだとの主張を行ったデイモン・ヒルは、再度同グランプリへの懸念を表した。グランプリ開催を目前にしてバーレーン国内の混乱が続いていることを無視すれば、F1の評判に傷がつくと彼は述べている。
バーレーンでは今もデモが行われ、人権活動家のアブドゥルハディ・アルカワジャが刑務所内で行っているハンガーストライキが約60日におよんでいることにも世界中の注目が集まっている。
「状況が悪化しつつあると思う。バーレーンの情勢は悪化しており、バーレーンに行こうとするのにいい状態ではない」とヒルは土曜にBBC Radio 4にコメントしている。
「(バーレーンGPまで)2週間の今、人権活動家リーダーのアルカワジャが難しい状況にある。決断を下すのは非常に難しい。私が心配しているのは、F1が(こうした動きに)無関心であるとみなされ、それによってF1が大きなダメージを負うことだ」
「グランプリを開催するために、抗議者が主張を表すのを阻止すべく厳重なセキュリティ対策を講じなければならないのであれば、このイベントは議論の片方の側に味方して行われるようにみられる。そうなれば、政治的な要素が浮上し、F1の評判に関して懸念が生じる」
アルカワジャは衰弱しつつあり、バーレーンの活動家たちは彼の状態に注目している。金曜夜には首都マナマで抗議者たちを解散させるために警察は催涙ガスを使用したと報じられている。
アルカワジャが代表を務めた人権グループ「フロント・ライン・ディフェンダーズ」のボス、メアリー・ロウラーは次のようにコメントしている。
「アブドゥルハディ・アルカワジャが、4月22日に開催予定のグランプリ直前に死亡した場合、(国内の)不安定さと混乱がさらに増すでしょう」
「F1関係者は、独立したジャーナリスト、コミュニティのリーダー、人権団体らと話をし、バーレーンで何が起こっているかをよく知る必要があります。バーレーンで先週起こった抗議活動を見る限りでは、バーレーンがバーレーン国民にとって安全な状態でないのは明らかです」