【ポルシェジャパン】2010年3月20日から5月9日までポルシェ ミュージアムにおいて特別展を開催

2010年3月20日から5月9日までポルシェ ミュージアムにおいて特別展を開催

ポルシェAG（本社：ドイツ、シュトゥットガルト 社長：ミヒャエル・マハト）が1950年に現在の本社が置かれているツッフェンハウゼンでタイプ356の生産を開始してから今年で60年になります。
ポルシェのツッフェンハウゼン工場は自動車の世界において極めて特別な存在です。実際、ここは、今日に至るまでポルシェの心臓部が活動を続け、「単なる」生産工場にとどまらない豊かな伝統が息づく場所なのです。ツッフェンハウゼンには70年以上にわたってポルシェの本社が置かれ、1950年以来、100万台を超えるポルシェのスポーツカーが、この地で作られてきました。
ポルシェ設計事務所が、シュトゥットガルト中心部のクローネン通り24番地からツッフェンハウゼン地区の新しい社屋に引っ越してきたのは、1938年6月のことです。そして操業開始当初から、このポルシェの本社工場は自動車史にとって重要な舞台となりました。同じ年の1938年に、後の「フォルクスワーゲン ビートル」として知られるようになる車の試作モデルが作られ、翌1939年には、ポルシェのすべてのスポーツカーのルーツとなるタイプ 64が誕生しました。もともとベルリン-ローマの長距離レースのために設計されたこのスポーツカーは、エアロダイナミクスに優れた流線型をしており、以降の全ポルシェモデルの方向性を決定づけました。

1948年にオーストリアのグミュントで少数のポルシェ356を製造した後、ポルシェは「車の街」である生まれ故郷、シュトゥットガルトへ1949年末に戻ってきました。
当時、ツッフェンハウゼンの工場はアメリカ軍によって収用されていたので、ポルシェはまず、近隣のコーチビルダー「ロイター・ボディ工場」（ロイター社）の敷地内にある組み立て工房を借りて、1950年の初めから生産準備にとりかかりました。
タイプ356の第1号車は1950年4月6日にシュトゥットガルトで完成し、それから年内に合計369台が生産されました。ポルシェのスポーツカーの成功は、販売台数だけではなく、ツッフェンハウゼンの生産施設の拡張によっても明確に裏付けられます。有名な建築家ロルフ・グートブロットの設計による建物群「ポルシェ工場2」は1952年に完成し、1956年には10,000台目のポルシェ356が送り出されました。その後も拡張と改修を繰り返しながら、1960年には「ポルシェ工場3」が完成し、営業および顧客サービス部門がここに設置されました。

911導入直後の1964年、当時のポルシェKGはロイター社を吸収合併し、同社の従業員約1,000人をそのまま雇用しました。現在、ツッフェンハウゼン工場では、911シリーズとボクスターシリーズだけでなく、ポルシェの車両に搭載されるすべてのエンジンが生産されています。

工場内は、ボディ組立工程、塗装工程、車両組立工程、インテリア工程、エンジン組立工程、テストスタンドの各エリアに分かれています。限られた敷地面積の中でフレキシブルな生産を行うために、ポルシェはボディ組立工程と車両組立工程において混流生産を導入するなどの特別な手法を採用しています。また、ポルシェのオンロードモデルとレーシングモデルが同じ組立ラインで生産されていることも、特筆すべき特徴です。さらに、環境に最大限に配慮した新しい塗装工場が2011年に完成します。現在、工場1と工場5のすぐ隣に建設中のこの建物は、ポルシェが2008年春に買収した以前デュル社が所有していた敷地に位置しています。

2009年1月には、ツッフェンハウゼンの新しい顔としてポルシェ ミュージアムがオープンしました。ポルシェが本拠地とするこの場所で、ポルシェの歴史を物語る80台もの貴重な歴史的名車や様々な展示品が、5,600平方メートルの展示エリアの中で紹介されています。このミュージアムは、ポルシェが誇るべき最も見事な建築物としてポルシェの歴史に刻まれると同時に、文化的かつ建築上の新たな名所として、シュトゥットガルト市の魅力を高めています。

ポルシェ ミュージアムでは、ツッフェンハウゼンにおけるポルシェの60周年を祝う特別展が開催されます。2010年3月20日から5月9日まで、ツッフェンハウゼンにおける操業開始から工場が発展していく様子が一連の写真によって示されます。とりわけ注目を浴びるのは、ツッフェンハウゼンで作られたポルシェ356クーペの第1号車でしょう。この車両は、特別な修復作業を経て初めてミュージアムで公開されます。

ポルシェ ミュージアムの開館時間は、月曜を除く毎日午前9時から午後6時までです。詳しくはウェブサイト（www.porsche.com/museum）をご覧ください。