希望と落胆が交錯したF1開幕戦オーストラリアGP。今季から、さらに無線交信の内容を厳しく制限するという規定も検討されていたが、実施は見送り。しかし、過剰な“ドライビング・アドバイス”は昨年に引き続き禁止されている。決勝レース中のドライバーとチームの無線交信から、2015年の初レースを振り返ろう。
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<LAP0>
ルイス・ハミルトン←(チームからドライバーへ)「ターン4〜5でエンジンブローがあり、ターン6までオイルが出ているから注意しろ」
<LAP4>
セルジオ・ペレス←「セーフティカー走行中にエリクソンを抜いたから、彼に順位を戻さなければならない。彼は2台後ろだが、彼を前に行かせてくれ」
<LAP8>
ダニエル・リカルド←「マシンバランスはどう?」
→(ドライバーからエンジニアへ)「高速コーナーですごくアンダーだね。低速〜中速コーナーでは入口で少しナーバスだ」
<LAP11>
フェリペ・ナスル←「タイヤの状態はどう?」
→「問題なさそうだよ」
←「OK、そのまま行ってくれ。ペースは良いよ」
<LAP12>
ジェンソン・バトン←「良い仕事をしているぞ。彼ら(ペレス)を苦しめてやれ」
<LAP14>
セルジオ・ペレス←「ダメージは?」(バトンと接触して)
→「ないと思うよ」
ジェンソン・バトン←「もう13台しか走っていない。生き残ればポイントが獲れるかもしれない」
→「そうだね、頑張るよ!」
<LAP18>
フェリペ・マッサ→「タイヤはまだ大丈夫だよ。左フロントは少しデグラデーションが進んできたけど、まだOKだ」
<LAP21>
フェリペ・マッサ←「ベッテルがステイアウトしたから、プッシュし続けてリカルドをパスする必要があるぞ」
<LAP24>
フェリペ・マッサ←「ベッテルはタイヤがタレてきている。もうすぐピットインするぞ。ピットの出口で接戦になるからプッシュしろ。予選ラップで走れ!」
<LAP27>
マーカス・エリクソン←「このタイヤで最後までいく。残り30周だ。少しセーブする必要がある」
<LAP30>
キミ・ライコネン←「ファンタスティックだ! ペースはすごく良いよ。マッサとの順位争いは、まだ終わっていないぞ」
<LAP33>
マックス・フェルスタッペン→「クルマから煙が出ている!」
ルイス・ハミルトン←「ターン13〜14にオイルが出ているかもしれないから注意しろ」
<LAP38>
ニコ・ロズベルグ←「重要なのは燃料をセーブすることだ。レースの最後にアタックしよう」
ダニエル・リカルド←「ダニエル、(前の)ナスルより速いぞ」
<LAP45>
フェリペ・マッサ←「ペースは良い。前のベッテルは燃料をセーブしている。彼よりも速いぞ」
<LAP47>
セルジオ・ペレス←「8秒前にエリクソン、10秒前にサインツ。もうすぐエリクソンがサインツをキャッチする。サインツを捕まえるために彼よりも速く走る必要がある。彼はかなり古いミディアムタイヤを履いている」
<LAP48>
ジェンソン・バトン→「ダウンシフトにビッグ・プロブレムだ!」
<LAP50>
フェリペ・ナスル←「レース状況のアップデートだ。リカルドは5秒後方。タイヤに苦しんでいる。我々は少しブレーキのセーブが必要だ」
<LAP53>
ニコ・ロズベルグ→「燃費は、どうなっている?」
←「燃料レベルはプラス。それ以上の情報は(無線規制のため)教えられない」
<LAP55>
マーカス・エリクソン←「よくやった! プッシュしろ!」(カルロス・サインツJr.を抜いて)
<フィニッシュ>
ルイス・ハミルトン←「素晴らしい仕事だった。うまくマネージメントした」
→「みんな素晴らしい仕事だったよ。現場のみんなもファクトリーのみんなも、こんなに素晴らしいクルマをありがとう」
←「ありがとうルイス、最高のシーズンスタートだね」
セバスチャン・ベッテル←「イエス、イエス! 素晴らしいレースだった!」
→「フォルツァ・フェラーリ! 」
←「セブ、素晴らしかったよ。グラッツェ!」(マウリツィオ・アリバベーネ)
フェリペ・ナスル→「みんな、よくやってくれた。最高だよ、ありがとう!」