ARTA Project プレスリリース
SUPER GT シリーズ第7戦富士
決勝
ARTA NSX、12番グリッドから今季初優勝!
ARTA Garaiyaはシリーズ首位の座を守る
■GT500
決勝日の朝、富士スピードウェイの空は曇り。8時30分スタートのフリー走行は、開始当初こそコースの一部に水が残ってはいたものの、タイム水準で判断する限り、ほぼドライコンディションといえる路面で実施された。ARTA NSX(ラルフ・ファーマン&伊沢拓也)は1分36秒472がベストタイムで、このセッションは4番手。
決勝レースを迎えるころには、完全に「晴れ/ドライ」のコンディションとなり、気温は27℃、路面温度も42℃まで上昇した。そして12番グリッドからスタートしたファーマンの順位も快調なペースで上昇していく。1周目は9位、7周目には早くも5位まで浮上。
追い上げはさらに続く。10周目に#3 GT-Rをパスし、13周目には#1 GT-Rも攻略、これで3位となる。さらにハイペースのラップを刻むファーマンは、20周目に2位の#24 GT-Rをプリウスコーナーで仕留める。そしてトップの#36 SCをも射程圏に捉え、25周目の最終コーナーでそのインを奪い、ついに首位へと到達した。
30周終了で#36 SCがピットイン。これに合わせこむかたちで、当初の40周くらいまでファーマンで引っ張る作戦を変更、ARTA NSXも32周終了でピットに向かう。そして伊沢拓也にバトンタッチし、なんとか#36 SCの前でコースには戻ったのだが、まだタイヤが温まっていないため、100Rの出口で、伊沢は#36 SCに実質首位の座を奪還されてしまう。
しかし、伊沢は#36 SCに離されることなく僅差をキープ。タイヤが温まったところで、反撃に出た。38周目のダンロップコーナーで#36 SCをパスし、トップ再浮上。
その後、伊沢は#36 SCとの差を4〜5秒でキープする安定感ある走りを披露。終盤は#36 SCが#1 GT-Rから攻撃を受ける展開となり、ARTA NSXのトップはますます安泰なものとなった。
10グリッドダウンによる12番グリッド発進という不利をはねのけ、ARTA NSXは見事に今季初優勝を達成。ARTA NSXとファーマンにとっては、チャンピオンを獲得した2007年の第8戦オートポリス以来の優勝となり、伊沢にとってはフル参戦2年目での初優勝。また、この勝利はNSX勢にとっての今季初優勝でもあった。
これで今季のARTA NSXは、7戦中4戦で表彰台獲得という結果に(優勝1回、3位3回)。ファーマン&伊沢は獲得ドライバーズポイントを53へと伸ばし、ランキング3位(実質的には2番手相当)に上昇した。首位とは10点差で、チャンピオン獲得の可能性も広がっている。なお、チーム部門は首位と14点差の3位。
●鈴木亜久里監督のコメント
「5月の富士同様、ラルフの追い上げはすごかった。このコースの抜くポイントとかを、完全にわかっている感じだよね。それにしても、ラルフのパートのうちにトップまで行けるとは、正直思っていなかったけどね。本当に『素晴らしい』のひとことに尽きる。そして伊沢も、あの手強い(脇阪)寿一選手を一気に抜いてくれた。メカニックたちも前回のレースで大変なことになったマシンをよく修復して、ここまで仕上げてくれたと思うし、今日は間違いなく100点のレースですよ。この先もひとつひとつのレースを、大事に、ミスせず、自分たちの力を最大限に発揮していくことができれば、最後にいいこと(チャンピオン)があるかもしれないね」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「まずはラルフに感謝ですよ。あの攻めの走りに感謝したいです。そして、それを伊沢が受け継いでくれたことがうれしい。彼は成長したと思いますよ。もともとの速さに、強さ・うまさが加わったことを証明してくれました。これでチャンピオンの可能性も出てきたと思います。残り2戦が楽しみになりました」
●佐藤真治エンジニアのコメント
「ドライバーが頑張ってくれた結果ですね。タイヤの選択も良かったと思います。富士で速いセッティングのコツをつかんでいる? そういうわけでもないんですけどね(笑)。チャンピオンの可能性も出てきました。残り2戦、オートポリスともてぎはNSXにとって相性の良くないコースではありませんしね。しっかりデータを見直して、いいセッティングを考えて臨みたいと思います」
●ラルフ・ファーマン選手のコメント
「昨日からマシンの調子がとても良かった。今朝のフリー走行では主に硬めのタイヤで、フルタンクでの走行をしたんだけど、そこでもレースに向けていい感触を得ることができたよ。今シーズンはこれまでにもチャンスがあったんだけど、それを結果(優勝)に結びつけられずにいた。今日は速さを結果につなげることができて、とてもハッピーだよ。タクヤも素晴らしい仕事をした。これでタイトル争いにも残ることができたと思うけど、最終戦をポイント首位と3〜4点差で迎えられればチャンスはある。次のオートポリスが重要になるね。予選でいいところにいければ、表彰台を狙えるはずだ」
●伊沢拓也選手のコメント
「まだ(初優勝の)実感がないですね。どこまで喜んでいいものなのか、わからないです。明日になってから、実感したりするものなのかもしれませんね。(#36 SCに)前に出られましたが、焦らず、(抜いた時は)自分を信じてインに飛び込みました。このところ、2輪のみのタイヤ交換では自分の走りがうまくいっていないと感じていたので、今日は4輪交換でいきたいと主張したんです。ラルフは『2輪でなんとか』って、言っていましたけどね。初めて(いい意味で)ケンカしました(笑)。マシンの調子は本当に良くて、なにも起きなければ勝てると思って、走っていました。最後の5周くらいはちょっと緊張もしましたけどね。残り2戦も、余計なことは考えずに、持てる力をすべて発揮できればいいと思います」
■GT300
朝のフリー走行では1分45秒751のタイムで4番手につけたARTA Garaiya(新田守男&高木真一)。決勝は新田のドライブでスタートし、1周目はグリッド順位キープの6位と、まずまずの出足だ。ところが3周目の1コーナー、# 26ポルシェにヒットされるかっこうでスピン、このアクシデントによって18位まで順位を落としてしまうことになる(# 26にドライブスルーペナルティ)。
ファステストラップをマークしながら追い上げる新田は、トップ10圏内まで順位を戻し、28周終了でピットイン。代わった高木はタイトル争いのライバルでもある#2 紫電らと争いながら、7位まで順位を回復。終盤には6位#33 ポルシェの背後1秒差まで迫るが、これを抜くには至らず、7位でフィニッシュした。今回の結果、ドライバーズポイントではARTA Garaiyaと#2 紫電(加藤寛規)、#19 IS(織戸学&片岡龍也)の3者が同点(63点)でトップに並ぶ展開となったが、上位入賞回数の関係で、新田&高木がシリーズ首位をキープしている。チーム部門も#19と同点ながら、ARTAが首位。
●金曽裕人監督のコメント
「それぞれがレースをしているなかで、アクシデントが起きるのは仕方ないことだと思います。ただ、もう少し(他チームが)紳士的にレースをしてくれないと、お互いのレースが壊れてしまいますからね……。ひとつのアクシデントに巻き込まれたおかげで、表彰台を狙えるくらいの手応えのレースも、すべて計画が狂ってしまう。そういう典型でしたね。タイヤもシャシーも何の問題もなく、両ドライバーもいい仕事をしました。でも、ああいうアクシデントは我々に防げる性質のものではない。レース界全体で防いでいかなければいけない問題だと思います」
●新田守男選手のコメント
「(もらい事故は)よくあることといいますか……。マシンにダメージがなかったのは不幸中の幸いでしたけどね。そのあとのペースがすごかった? ああなったら、もう、いくしかないですから! ただ、そのかわり真一に(長いパートを走ってもらうことになり)負担をかけましたけどね。これで3者同点ですか? 残り2戦のコースのことを考えると、正直、ちょっと厳しいものがありますね。ただ、レースは何が起きるかわかりませんので、とにかく全力を尽くします」
●高木真一選手のコメント
「最後に6位のポルシェに迫るところまではいけたんですけど、もう1周足りなかった感じです。燃料が軽くなってから、かなりマシンの感触が良くなったので、差を詰めていったんですけどね。ただ、相手はストレートが速かったので、抜くのは厳しいだろうと思っていました。チャンピオン争いに関しては、本来ならここでライバルを大幅に引き離しておきたかった。そして、それができるだけの手応えがマシンとタイヤにあったのに、アクシデントの影響でそれが果たせず、3者同点という状況は確かに厳しい。でも、新田さんも言うように何が起きるか分からないので、最後まで頑張ります」
