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スーパーGTニュース

投稿日: 2010.04.05 00:00
更新日: 2018.02.15 19:13

【LEXUS TEAM KRAFT】2010年SUPER GT 第2戦「MJ KRAFT SC430手堅く9位ポイントゲット!」


2010年SUPER GT 第2戦
「MJ KRAFT SC430手堅く9位ポイントゲット!」

 4月の新年度を迎え季節はまさに春たけなわ。都内ではこの週末がお花見のピークでは? とも言われ、東京より遥か南に位置する岡山はさぞ暖かいかと思われだが……本当に4月? 本当に岡山? と思われる程の寒風が吹きすさぶ岡山県は岡山国際サーキットで今シーズンの2戦目が開幕した。

 前戦、前半トップを快走するも後半惜しくも順位を落とす事となってしまった「MJKRAFT SC430」マシンの状況、ドライバーのコンディション共に非常に好調であり、なんとしても前回の雪辱を晴らすべくサーキットへと到着。昨年までは開幕戦として行われたこの岡山大会。「KRAFT SC430」は予選2番手、セカンドローを獲得するなど、ここ岡山はチーム、ドライバー共に相性の良いコース。

 前回の鈴鹿同様、今回もノックダウン方式の予選方法が採用となった為、TDP育成プログラムを担うチームとしては、ドライバーの経験の為に今回は前回と逆に石浦⇒大嶋⇒石浦の順で予選を行う事に決定。マシンは相変わらずの好調を維持している為、運転席&助手席の窓を小変更し、更なる軽量化を図った以外に大きな変更点は無く、サーキットの特性に合わせ足回り関係を中心とした若干のセットアップ変更を施し、まずは金曜日サーキットへと到着。万全の準備の元、土曜日からの走行を待つばかりとなった「MJ KRAFT SC430」であった。

公式練習
4月3日(土)8:20~9:20
10:15~11:15
 今回、サポートレースの関係からか? 2回に分けて行われる公式練習。まずは他車のタイムを見て路面状況を見極める展開。結果、1回目の公式練習では路面がまだまだ出来ていないと判断し、予選用タイヤの皮むきだけを行い走行を終了。

 迎えた2回目の公式練習。今回Q1とQ3を担当する石浦からコースイン!まずは慎重にタイヤに熱を入れ、計測4周目にトップタイムを記録しピットイン。リアのキャンパー調整等、若干のセットアップを行い30分程走行した所で大嶋へとトライバー交代。代わった大嶋もマシン、路面のコンディションを確認しつつ走行を続け順調にプログラムを消化。午後の予選へ向け好感触の公式練習となった。

公式予選12:55~13:40
ノックアウト予選15:20~
 いよいよ迎えた公式予選。前戦に引き続きノックダウン方式の予選となる今回、「MJ KRAFTSC430」は石浦からの予選アタックとなるが……まずは先だって行われる基準タイムクリアの為の予選に石浦からスタート。

 難なく基準タイムをクリアすると今度は大嶋へとドライバー交代し大嶋もタイムアタック。大嶋はこの時点で4番手へと付けまずは問題無く2人とも基準タイムをクリア!そして迎えたQ1、石浦は2周、3周と入念にタイヤへ熱を入れ迎えた4周目、渾身のアタックでトップへと躍り出るが……ほぼ同じ瞬間に#24が1コーナでクラッシュした影響を受けコートロールライン上では赤旗が提示。これにより惜しくも石浦が記録したトップタイムは無効に……

 クラッシュしたマシン回収後、残り3分間でQ1が再開され、1周のみのアタック合戦と超スプリントな予選となるが、石浦は冷静にタイムアタックを行い見事4番手でQ2進出を決定。続くQ2、今度は大嶋がアタックを担当。セッション開始と同時にコースインした大嶋は2周、3周と徐々にペースを上げ迎えた4周目にタイムアタックを敢行!

 見事にQ1のタイムを上回る1'24.030のベストを記録し、総合2番手でQ3進出を決定。そしていよいよ迎えたQ3、最後のアタックは再び石浦が担当。ポール奪取に燃える石浦はセッション開始と同時にコースイン!徐々にタイムを上げアタックラップへと入って行くが……前を行く#12との間隔が若干詰まり気味か? #12を視界に入れつつアタックラップを行った結果1'24.349で惜しくも4番手。TOPと僅差の4位だけに……決勝に期待が掛かる予選結果となった。

フリー走行
4月4日(日)9:00~9:45
 朝からスッキリと晴れ渡った決勝日、まさにレース日和といった中で朝のウォームアップランがスタート。好調を維持する「MJ KRAFT SC430」は決勝でスタートドライバーを務める石浦からコースイン。
 決勝レースを想定し、ある程度の重さの燃料とユーズドタイヤで走行を続け、ラップタイムの推移をチェック、セッション半分ほど走行をした所で今度は大嶋へとスイッチ!代わった大嶋も更にそのタイヤで走行を続けタイヤの摩耗をチェック。総合3番手で走行を終了。秘策に向け手応えのある走行となった。

決勝レース(82Laps)14:00スタート

 今シーズン2戦目となる「OKAYAMA GT300Km RACE」朝からの好天は続き、まさに春らしいレース日和の青空のもと、定刻の14時、満員の観客で埋め尽くされたグランドスタンドの前を全車一斉にスタート!

 スタートドライバーを務める石浦はミスなく綺麗なスタートを決め1コーナーへと進み、1周目のピット前を4位で通過。岡山にしては珍しく? 大きな混乱も無く、TOP集団は等間隔の隊列となりレースは進行。3周程経過すると前を行く#12がペースをコントロールしているのか? 2位との間隔を若干広げ始め、3位~5位までが団子状態で進行。

 続く9周を過ぎる頃からはGT300クラスの周回遅れが出始め、これをきっかけとしてTOP集団は3位~7位までが僅差で続く状況となり、迎えた12周目#36に先を行かれ5位、続く24周目には#6に先行され6位と徐々に順位を下げる展開。

 実は今回、土曜の走行から決勝での「タイヤ無交換作戦」の可能性を探っており想定より若干路面温度は高めであるが・・スタート時点でこの作戦の敢行を決定。前半は無理をせずタイヤをセーブする作戦であった為、ある程度のポジションダウンは想定済。37周目には#8にも先行され7位となるが……40周を過ぎる頃からルーティンのピットストップが始まり、上位集団は全車ピットへ!

 各車タイヤ交換、給油を行う中、47周目ついに「MJ KRAFT SC430」もピットイン!予定通りタイヤ交換は行わず、給油とドライバー交代のみを行い最短のロスタイムでコースへと復帰!

 この時点でGT500のトップグループは全車ピットストップを終えており、大嶋は見事総合トップでコースへと復帰。「タイヤ無交換作戦」成功か!と思われたが……直後の49周目、GT300クラスの周回遅れをパスする際に#3と軽く接触、その影響で#3が更に隣の#19へと接触し#19がこのあおりを受けてコースアウト!

 この行為が「他車に不利益を与えた」とみなされ、惜しくも大嶋へはドライブスルーのペナルティのジャッジが下され、56周目にピットロードを通過。

 この一連のアクシデントの影響で、コースへ戻った大嶋の順位は9位と大きく後退するが……タイヤ無交換作戦をとった事により、残念ながら猛チャージで前車を追いかける余力は残されておらず、ここから我慢のレースとなった大嶋は手堅く走行を続け、9位ポイント圏内でレースを終える事となった。

 練習走行からの好調を受け大きな掛けに出たが……路温・アクシデントと不運が重なり結果は残念であったものの、チームにとってもドライバーにとっても「経験」という意味では非常に収穫の大きなレースであった。

■大澤尚輔監督
タイヤ無交換作戦は一度やっておく価値はあるかなと判断し……タイヤの摩耗とか・・マシンの状態とか・・色々と検討した結果実行してみたのですが、若干気温・路温が合わなかったかな? という感じで残念でした。結果的にはデータ取りのレースになってしまいましたが……先には繋がる良い経験になったと思います。大嶋選手のペナルティは想定外でしたが……混走レースですので今後は気を付けて貰おうと思ってます。予選結果にも表れているように調子自体は非常に良いので・・次の富士こそ優勝狙って全力で行きたいと思います。

石浦宏明
今回は走り始めから常に上位に名を連ねる程マシンもドライバーも好調で、予選に向けても良い感じでマシンを仕上げる事が出来ました。土曜から決めていたタイヤ無交換作戦でしたが……決勝では想定していた以上に気温が上がり……タイヤをセーブする余り思ったほどペースを上げる事が出来なかったのがこの結果に表れてしまったと思います。今回のレースは色々な意味で大変勉強になったので、この経験を踏まえ次の富士では確実に「優勝」を獲りに行きたいと思います。

大嶋和也
予選も4番手とまずまずで、マシンの調子も良かったのでチームと相談してこの作戦(タイヤ無交換)で勝ちに行くつもりでした。結果的には若干想定していた温度とのズレがあり、このような結果となってしまいましたが……勝ちに行く為の掛けだったのでその部分では後悔はありません。ただ、途中300クラスと接触してしまい……ペナルティも受けてしまった事で何点かのポイントを失ってしまった事は大変申し訳ないと思いますし、大変反省しています。次の富士はテストでも良い感触だったので絶対優勝したいと思います。


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